ご存知ですか? 良かれと思ってしているニューノーマルの暮らしが、認知症と関係していることを。緊急事態宣言も3度目を迎え、おうち時間の楽しみ方が増えた人も多いはず。その一方で、健康面で不安を抱いている人もいるでしょう。実は、ニューノーマルな暮らしぶりは認知症・認知症と同じような症状であるデジタル認知症を進行させる可能性があるとのこと。高齢者のみならず若者にも関わるというのです。一体どういうことなのでしょうか。
若者から高齢者まで、ニューノーマルと認知症について調査
アクサ生命保険(株)は、20代~60代の男女1,000名を対象に、「ニューノーマルと認知症に関する意識調査」を実施。新型コロナウイルス感染症の影響による行動・メンタルの変化や、自身や周りの人々の「認知症」に対する意識について調べました。
【調査概要】
調査名:ニューノーマルと認知症に関する意識調査
調査期間:2020年12月
調査方法:ウェブアンケート
調査対象:20代~60代の男女
回答者数:1,000人
※複数回答の場合は、回答者数を100%として算出
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%ではない
若者〜高齢者のコロナ禍で増えたこと・減ったこと
最初に、新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、利用頻度が増えたこと・減ったことについて聞いてみました。減ったことベスト3は「旅行する」「外食する」「対面コミュニケーション」。他にも「スポーツをする」「勤務先で仕事をする」なども挙がっています。外出や人との接触を伴う行動が大幅に減少し、運動や対話による身体への刺激が低下していることが浮き彫りとなりました。
実はこれらが、認知機能を低下させてしまう原因に。脳機能の維持に大切な有酸素運動や、コミュニケーションによる能動的な刺激の減少は、認知機能低下のリスクを高まらせてしまうのです。
高頻度なデジタルデバイス利用は認知症につながる!?
ニューノーマルに欠かせないデバイスも認知症リスクを高める一因です。「動画視聴」や「SNS」でスマートフォンやパソコン等のデジタル機器は必須ですが、これらに依存すると、記憶力・集中力・注意力の低下や言語障害のリスクが高まってしまうとのこと。これが冒頭で触れた、認知症に似た症状のデジタル認知症です。
また、デバイス依存は視覚にかかわる後頭葉、聴覚にかかわる側頭葉ばかりが使われてしまい、前頭前野の血流を低下させ、働きに抑制をかけてしまいます。こうなるとぼーっとした状態に。この、前頭前野を使わない“ぼーっ”とした状態が毎日続くと、次第に認知機能が低下していくといいます。これが長期的に続くと認知症リスクは高まるというのです。
コロナ禍ではデバイスを使いこなすデジタルシニアも増えたはず。確かにデバイスは便利ですが、使い過ぎには要注意です。
(→「デジタルシニア」とは?)
孤独感・ストレスも認知症の一因?
デバイス以外の認知症リスクを高めるもの、それは孤独感やストレスです。ニューノーマルで私たちは外出制限やリモートワークなどからの孤独感、コロナ禍のネガティブな報道、家族が日中一緒にいることによるストレスなどを感じています。このようなストレスが長期化したり強度になったりすると、記憶を司る海馬など脳に悪影響を及ぼすとのこと。認知症リスクはメンタルの状態も関わってきます。
新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて「孤独感」を感じることが増えた人は4人に1人、「ストレス」を感じることが増えた人は約半数という結果に。これは油断できない状況と言えるでしょう。
認知症の自覚がある人はなんと4割!
認知症に関連しうる自覚症状について調べたところ、なんと約4割の人が何らかの自覚症状が増えたと回答。認知症というと忘れっぽくなると思いがちですが、それ以外の症状もあります。「イライラ/怒りっぽい」、「無気力」などの症状は、認知機能の低下によるもの。これらの自覚症状がある人が一定数いるのです。
高齢者にオススメの認知症対策
このようにニューノーマルは認知症・デジタル認知症になるリスクが高い環境。自然と身を任せたままでは認知症・デジタル認知症のリスクを高めるだけです。リスク回避の鍵は脳を活性化させる刺激。具体的に言うと、脳の前頭前野の血流を上昇(=活性化)させることです。
これをすぐにできるのがコミュニケーション・運動です。対面でのコミュニケーションを控えている方は、オンラインで家族やご友人と話してみたらいかがでしょうか。昨年話題になったオンライン帰省とやり方は同じです。
4/22、政府の新型コロナウイルス対策本部で安倍首相は、8割の接触機会の低減を実現するためにゴールデンウィーク中の帰省はせず『オンライン帰省』をするようにと発言。 実際に無症状のまま帰省をした大学生が、家族間での集団感染(クラスター)を引き起こすケースが山形県で起きています。 と...
運動は、いきなり激しいものを行うと体を痛める可能性大。無理のない範囲で自分に合った運動を行いましょう。始めやすいウォーキングやトレッキング(山登り)以外でも自宅でできる運動はありますよ。
自宅で運動をしたい高齢者向け【高齢者におすすめのエクササイズ3選】
運動以外の認知症対策はこれ!
健康のためにも運動はしたほうがいいですが、億劫という方もいるはず。そんな方には、読み聞かせや塗り絵などはいかがですか?
【外出自粛を楽しむ!】自宅待機でボケ防止&リラックス!高齢者の【塗り絵】のすゝめ
どれもレクリエーションのように楽しいので認知症対策としてだけでなく、充実したおうち時間を過ごせますよ。若者よりも認知症が進行しやすい高齢者は、毎日の習慣として自分に合うものを取り入れることをオススメします。