
2025年のお盆休みは一般的に8月13日(水)から16日(土)です。今年は猛暑のため実家でゆっくりする人も多いのではないでしょうか。この時期に帰省すると目に入るのがお盆飾りです。お盆飾りとは、先祖や故人の霊を迎え、もてなすために飾る祭壇や供物、装飾一式のこと。現代のお盆ではどのようなお盆飾りが主流なのでしょうか。
仏壇・墓石の販売、屋内墓苑の受託販売、終活支援を手がける(株)はせがわは、自社のアプリ会員約27万人に対して「お盆行事に関するアンケート」を実施いたしました(サンプル数:30代〜70代男女4,353名)。2025年のお盆行事のリアルを見てみましょう。
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お盆飾りを行う?行わない?
はじめに、お盆飾りを行うかどうか尋ねたところ、世代が上がるにつれてお盆飾りをする人の割合が高まっています。最も多いのが60代ですが、70代以上ではやや落ち着く傾向がうかがえます。
お盆飾りとして用意するもの
次に、お盆飾りとして用意するものについて聞いてみると、1位は「盆提灯」(84%)、2位は「生花」(75%)、3位は「盆花」(67%)でした。華やかなアイテムが圧倒的に支持されていますが、牛馬飾りや御料具膳・ほおずきなどの伝統的な飾りも根強い人気を保っています。一方で、ミソハギや水の子、十三仏の掛軸といった、お店で売られていなかったり、取り扱いが少ないものは選ばれていないようです。この結果から、手軽に空間を彩るアイテムを優先し、伝統的要素は簡略化する現代的なスタイルが読み取れます。
お盆飾りをする理由
お盆飾りを続ける動機について聞いてみると、最多の回答は「故人やご先祖様への想い」、次いで「家族の中での習慣」でした。特に50~60代の選択率が高くなっており、お盆行事が習慣として根付いていることがうかがえます。一方で、「周囲との関係上必要だと感じている」といった社会的体裁としての必要感はどの年代でも低く、他者からの目線よりも自身の想いが優先されることが明らかになりました。
お盆飾りをしなくなった理由
お盆飾りをしなくなった理由の最多は「同居する人の構成の変化」で、これは身内のご逝去による環境の変化が含まれます。70代以上では、お盆飾りをやめる主な要因として「供養に一区切りがついたこと」「体力的な負担の大きさ」が際立ちました。高齢期ならではの儀礼的な節目と身体的な負荷が、お盆飾りをやめる判断に大きな影響を与えていることが見受けられます。
お盆飾り以外にお盆にすることは?
お盆飾り以外に何をしているかを聞いてみると、圧倒的に多かったのが「お墓参り」であり、先祖への敬意を示す基盤的な行為であることがうかがえます。次に「迎え火・送り火」、「ご住職による読経」が続き、儀礼行為も重視されていることわかりました。一方で、「新盆宅へのお供え物届け」「お盆お参り客への返礼品贈呈」といった相互訪問やおもてなしの習慣は、その機会が減っています。
これからのお盆行事について
最後に、これからのお盆行事について聞いてみると、「現代風の自由な形式にした方がよい」という声が多く、全世代の約半数(53.6%)が選択しています。また、その支持率は年代が下がるほど顕著になっていることから、年代が高まるほど「習慣に則って続けていく」姿勢が強まっていると言えます。また、全世代で「無理して行う必要はない」とする意見は一貫して少数派でした。
まとめ
今回の調査から、「今後のお盆行事は故人やご先祖への敬意を保ちつつ、現代の価値観や生活スタイルに合わせて、かたちや道具がさらに柔軟に変化していく傾向に進みそう」と言えます。例えば、大ぶりな飾りは控えめになる代わりに、手軽な「ミニ飾りセット」や「オンライン供養サービス」が増えていくかもしれません。
こうした変化を通じて、伝統と現代的な利便性がほどよく両立した新しいお盆文化が徐々に根付いていくことが予想されます。
以上、30代から70代4,353名に聞いた「お盆行事に関するアンケート」でした。
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