コロナ禍の今、都会と田舎の2つの生活=デュアルライフ(二拠点生活)を楽しむ人たち、いわゆる「デュアラー」が増えていますが、さらに複数のまちで暮らす「多拠点生活」を始める動きも目立ってきました。(→「二地域居住」とは)
今月14日に発表された調査結果によると、多拠点生活を実践する人たちがこの1年ほどで様変わりし、「ワーケーションのために、多拠点生活を始める”会社員”が増えてきた」というのです。(→「マルチハビテーション」とは)
詳細を見ていきましょう。
主役はフリーランスから会社員へ
この調査データは「ADDress(アドレス)多拠点生活利用実態レポート2021年版」。
多拠点居住サービスを提供する㈱アドレス(東京・千代田区)が、同社の会員(多拠点生活者)向けアンケート(今年1月中旬までの1ヵ月間実施)等を基にまとめたものです。(→「アドレスホッパー」とは)
それによると、多拠点生活を行う人たちは20〜40代の働く世代が多くを占めますが、なかでも「会社員」が増えてきました。
2019年4月の時点ではテレワークが今ほど普及していなかったため、「フリーランスや個人事業主」が最も多かったのですが、この1年ほどで様変わり。
会社員が大勢を占めるようになりました(グラフ参照)。
⇒ 【関心呼ぶ二地域居住】谷口教授が提言「地場産品の購入など街を知ることから始めましょう」
コロナ禍のワーケーションが後押し
そして、多拠点生活を行う目的については、トップが「ワーケーション」(グラフ参照)。
地域の人との交流や観光・アクティビティを楽しみながら、好きなまちで仕事をするというライフスタイルが選ばれているのです。
※ワーケーションとは、旅先で休暇を楽しみながらテレワークを行う働き方。これを許可する企業も増えている。(→ワーケーションとは)
新しい仲間とも出会いたい
一方、滞在先での生活については、さまざまな人と交流したいが約8割に及び、実際に「交流できている」との回答も約7割でした。
本レポートには15名の体験談も掲載。ごく一部ながら、ご紹介します。
⇒ 東京と福岡でデュアルライフ。デュアラーから学ぶ「変化についていく大切さ」
物件を探しつつ街歩きも楽しむ70代
【乃万 兼三さん】
リタイア世代の乃万さんは、広島県三原市生まれの70代。
首都圏の自宅を主な住まいとし、家業に必要な物件を各地で探しながら多拠点生活をしています。
それなりに楽しみも多いようです。
地方の街なかを歩いているときも、「この歳になると、地元の人にも警戒されません。道端で会った人と話していて、果物をいただいたこともあります」と乃万さん。
さまざまな地域での暮らしを楽しまれているようです(以上、文は抜粋)。
❑定額制の多拠点居住サービス「ADDress」
定額制で全国の家(空き家や別荘などを活用)に住めるサービス。
家には個室を中心に寝室を備え、リビングやキッチンなどはシェアハウスのように共同で使用。
光熱費、Wi-Fi、共有の家具やアメニティの利用も含め、月額4万円からと低価格だ。
多拠点生活者同士や地域住民との交流も魅力の一つで、さまざまな地域で新たなコミュニティに出合えるという。
移住ではなく、都心部と地方が人口をシェアリングする多拠点居住のサービスを目指している。
■本記事と画像の引用元:「ADDress多拠点生活利用実態レポート2021年版」
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【編集部コメント】
コロナ禍でのテレワークの普及もあり、二地域を拠点に生活する「デュアラー」が増えています。
デュアラーや二地域居住について、今話題の『デュアラー』とは?『二地域居住』について詳しく解説!の記事でまとめています。
⇒マツコも羨むライフスタイル「デュアラー」(二拠点生活者)ってどんな暮らし?
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