コロナ禍の昨今、都市部から田舎へと生活の拠点を移す人たちが増えています。
それに伴い、「デュアラー」という言葉がSNSなどでよく見かけるようになりました。
デュアラーとは、都会と田舎の2つの生活=デュアルライフ(二拠点生活)を楽しむ人のことをいいます。(→「二地域居住」とは?)
今号はそんなデュアラーのために、各メディアや企業が調査し発表している“人気の街ランキング”を取りまとめました(連載2回目)。
元気なデュアラー高齢者の皆さんが楽しく暮らせるのは、果たしてどの街でしょうか?(→「トライアルステイ(お試し居住)」とは?)
【目次】
1.【住みよい街ランキング2020】1位は武蔵野市!充実した生涯学習等でシニアなどが支持
2.【高齢者が暮らしやすい街ランキング】のんびりと暮らすための住みやすい条件や地域とは
3.【シニアに愛される街 発表】60代以上は鵠沼を、40~50代は馬車道を支持!
1.【住みよい街ランキング2020】1位は武蔵野市!充実した生涯学習等でシニアなどが支持
■「シティブランド・ランキング ―住みよい街2020―」
大手メディアの日経BPが全国の働く世代2万人に行ったアンケート調査(2020年7~8月実施)です。
「住みよい街」のトップには、武蔵野市(東京都)が選ばれました。
今回の調査が“住みよさの基準”としたのは「安心・安全」や「医療・介護」「生活の利便性」などで、シニア世代が住み替えで最も重視するポイントと重なっています。
このランキングはシニアの皆さんが住み替え先を考えるうえで、大いに参考になりそうです。
5位までを東京都内の自治体が独占
「住みよい街」の1位は武蔵野市で、2位千代田区、3位文京区、4位中央区、5位港区と1位~5位までを東京都内の自治体が独占しました。
エリア別トップ3(全国6エリア)
一方、エリア別(全国6エリア)の住みよい街ランキングでは、北海道・東北エリアは札幌市、関東は武蔵野市、中部は長久手市(愛知県)、近畿は西宮市(兵庫県)、中国・四国は松山市(愛媛県)、九州・沖縄は春日市(福岡県)がそれぞれ1位となっています。
働く世代2万人が思う「住みよさ」とは
調査の内容は全国のビジネスパーソンを対象に、いま住んでいる街または直近で住んでいた街(全国の市および東京23区)に対する「住みよさ」について尋ねたもの(回答者は2万1850人)。
住みよさの評価項目としては、「安心・安全」「快適な暮らし」「生活の利便性」「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」「自治体の運営」「街の活力」の8分野・38項目を挙げ、「住みよい街の条件として、当てはまっていますか?」と質問しました。
38項目の主な内容は「治安がよい」「公園が多い」「繁華街へのアクセスがよい」「公共交通機関が充実している」「病院や診療所が多い」「保育所や幼稚園が充実している」「行政サービスが充実している」「街に活気がある」などです。
〈出典:日経BPニュースリリース〉
2.【高齢者が暮らしやすい街ランキング】のんびりと暮らすための住みやすい条件や地域とは
■「高齢者が暮らしやすい街ランキング」
不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」が取りまとめたランキングで、次のような順位になっています。
順位 | 高齢者が住むやすい街 |
1 | 巣鴨 |
2 | 吉祥寺 |
3 | 赤羽 |
4 | 浦和 |
5 | 鎌倉 |
〈出典:不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」〉
1位 巣鴨(東京都豊島区)
栄えある1位は、お年寄りが多く集まる街“巣鴨”でした。
巣鴨地蔵通り商店街では、衣料品店や和菓子店などお安い価格設定のお店が立ち並んでいます。
道が平坦で高齢者も歩きやすいようになっていたり、せかせかしないゆったりとした接客を行う傾向も人気の一つになっています。
3.【シニアに愛される街 発表】60代以上は鵠沼を、40~50代は馬車道を支持!
■住民に愛されている街(駅)ランキング〈関東版〉
リクルート住まいカンパニーは2020年春、初の「住民に愛されている街(駅)ランキング」を発表しました。
関東1都4県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住する約30万人への同社アンケート〈お住まいの街(駅)が好きですか?〉によりますと、1位「片瀬江ノ島」2位「馬車道」3位「みなとみらい」4位「代官山」5位「千駄ヶ谷」という結果でした(全世代の集計)。
さて、年代別の集計によれば、シニア世代の皆さんはどんな街を愛しているのでしょうか?
60代以上から人気集めた「鵠沼」
地域イベントなどコミュニティが魅力!
今回のアンケートは、実際に住んでいる自分の街への好感度について尋ねたものです。
60代以上の方が回答数の4割弱と多かったのが神奈川県藤沢市の「鵠沼(くげぬま)」(8位)と「鵠沼海岸」(10位)、そして約3割の「片瀬江ノ島」(1位)でした。
このエリアは、出張野菜販売会やヨガ教室、ワークショップなど、趣味やイベントを通じた住民の交流がとても盛んなところです。
気軽に参加できるコミュニティが思いのほか充実しています。
アンケートを取りまとめたSUUMO編集部では、こう話しています(記者発表会にて)。
『上位に上がった江の島・鵠沼エリアは、海が好きで街のカラーを理解した上で移住してくる人が多いため、地域になじみやすいですね。
新しいことへの抵抗感がないオープンマインドな人が多いと思います。
単身者でも地元の店やイベントを通じて顔見知りになれたり、ホームパーティーで親交を深めるという文化もあります。
また、身近に海という自然があることで、のびのびと子育てができるのも魅力ですね。
教育に関しても、中学受験をしない家庭が多いと聞きます。
それに、行政サービスが充実している点もメリットではないでしょうか』
⇒マツコも羨むライフスタイル「デュアラー」(二拠点生活者)ってどんな暮らし?
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