記憶のなかの風景〈第8幕 池袋〉

気がつけば、街の風景もすっかり変わってしまった。
久しぶりにアルバムを開くと
あの頃の時代と記憶が鮮やかによみがえってくる。

百貨店〝丸物まるぶつ〟が懐かしい! 開発工事で変りゆく喧騒けんそうの中の東口

「あ! パルコの建物にMARUBUTSUの看板だ。思い出深いですね」。
三越(現ヤマダ電機)の屋上から見渡した駅東口のパノラマだ。
今若者で賑うファッションビル・パルコの前身が、京都発祥の百貨店・丸物だった。
高度成長期の真っただ中、池袋は駅前再開発の大規模工事で喧騒に包まれていた。
あれよあれよと街の景観が一変した時代だった。

昭和36年10月

東口ロータリーの主役だった! 最盛期に見る〝都電〟の勇姿

「銀座へ遊びに行くのも都電でした」。
再開発で見違えるように整備された東口の夏のひとコマ。
数寄屋すきや橋ばし行きの都電が停車中だ。この頃、人々の足は主に都電だった。
しかし、41路線に及んだ都電は、渋滞緩和のため同年12月から順次廃止され、姿を消していった。

昭和42年夏
平成30年5月現在の同所

消えゆく〝美人街〟。取り壊される都心最後のヤミ市の輝き

「美人街の細い路地が気に入っていました」。
戦後17年目の西口に残っていたヤミ市の一角だ。トリスバーやおでん、美人街の看板が見える。
終戦直後、西口に軒を連ねた200余りの店舗群の半数は、飲食店が占めた。
この日、雑然とした平屋建ての背後には、大型ビルが工事の足場で囲まれていた。
同年末、都心に最後まで残った池袋のヤミ市はすべて取り壊され、姿を消した。

昭和37年3月
平成30年5月現在の同所

白黒写真は、写真家の松井一彦氏と高木進一氏が撮影 豊島区立郷土資料館提供
カラー写真は、プラスライフ記者撮影


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