今号は、当サイトの連載記事「シリーズ サ高住の知られざる課題」の総集編をお届けいたします。
高齢者の新しい住まいの形として、「サービス付き高齢者向け住宅」(通称:サ高住)が次第に知られるようになってきました。
高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき認定しているのがサ高住です。(→「自立型」サ高住とは?|おとなの住む旅 用語解説)
しかし、サ高住にはユーザーにまだ知られていない課題なども少なくありません。
当編集部がレポートいたします。
介護サービスは任意の事業所から利用できる 高齢の単身・夫婦世帯が安心して住める賃貸住宅として、行政が法に基づき認定している「サービス付き高齢者向け住宅」(略称:サ高住)。 「サ高住」として認定される要件が令和2年度から一部変更され、任意の事業者による介護サービスが利用しやすくなります(国土交...
【目次】
第1回 メリットは居住権が守られ、多額の入居金も不要な点
~制度発足から9年で、約7700棟・26万戸が供給される~
第2回〝サ高住のイメージがつかめない〟3っのワケ
~介護度など入居条件にばらつき、見極める目が大切!~
第3回 なぜ住宅設備は物件によって違うのか
~入居者は自らの介護度を踏まえ、必要な設備があるかチェックを~
第4回 サ高住の〝サービス〟は至れり尽くせりか
~サービス内容は契約の前にしっかりと聞いておくことが重要!~
第1回 メリットは居住権が守られ、多額の入居金も不要な点
~制度発足から9年で、約7700棟・26万戸が供給される~
サ高住とはいわば「高齢者向けの賃貸マンション」です。
入居者の安否確認(1日1回)と生活相談が法律で義務づけられていますが、原則として24時間体制での医療・介護サービスはありません。
安否確認と生活相談以外のサービスはオプションとして追加契約が必要ですが、どのようなサービスが用意されているかは住宅によって異なります。
ところで、このサ高住の伸びが衰えを知りません(グラフ参照)。
入居者にとっては、利用権方式ではなく賃貸借方式で契約しますので、多額の入居金が不要なうえに、入居者に居住の権利がある(たとえば病院のように、居室の移動を指示されることがない)という大きなメリットがあります。
編集部レポート 【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット 高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。 高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき認定している...
第2回〝サ高住のイメージがつかめない〟3っのワケ
~介護度など入居条件にばらつき、見極める目が大切!~
サ高住の事業を行う者とは
サ高住の事業者について見てみましょう(上のグラフ参照)。
主に社会福祉法人等が運営する特別養護老人ホームと違い、サ高住の事業者は営利目的の民間企業が多く、株式会社が6割を占めています。
また、業種別に見てみると、介護系と医療系の事業者が全体の8割にも及ぶのが現状です。
このようにサ高住は事業者が多様なところが、サービスの多様化につながり、イメージの輪郭があいまいになった一因と言えるでしょう。
では、サ高住の課題とは何でしょうか。
サ高住は前述のような多様性により、たとえば入居の条件が要介護度2以下であったり、逆に要介護度3以上でないと入居できなかったりと、入居の要件にばらつきが見られます。
ユーザーはサ高住としてひとくくりにせず、何よりも一つひとつよく見極める目を持つことが大切です。
編集部レポート/連載第2回 【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット 高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。 高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき...
第3回 なぜ住宅設備は物件によって違うのか
~入居者は自らの介護度を踏まえ、必要な設備があるかチェックを~
サ高住の1戸当たりの床面積については、(法律上は)原則として25㎡以上とされています。
もっとも、十分な面積の共同リビングがある場合は、18㎡以上で良いという緩和条件があるため、平均床面積は22㎡にとどまっているのが実状です。
そして居室内の設備については、居室の面積が広くなるほど完備率も上昇する傾向が見受けられます(下のグラフ参照)。
サ高住の住戸面積別に見た設備完備率
以上のデータを見ると、ユーザーにとって見逃せないポイントが分かってきます。
入居者は各々の介護度等に応じ、自分にとって必要な設備のある住宅をしっかりと選ぶことが大切なのではないでしょうか。
編集部レポート/連載第3回 【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット 高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。 高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき...
第4回 サ高住の〝サービス〟は至れり尽くせりか
~サービス内容は契約の前にしっかりと聞いておくことが重要!~
グラフには記されていませんが、「特に不満はない」が最も多く、71.5%の入居者が現状に満足していました。
すなわち、残りのおよそ30%、3人に1人が何らかの不満を抱いているわけです(不満の内容はグラフ参照)。
特に「サービス内容について契約時の説明が不十分、または聞いていない」がトップの9.4%でした。
(→「サービス付き高齢者向け住宅の〝サービス〟」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
ユーザーは契約の前に、サービスや費用などの疑問点をしっかりと聞いておくことが何よりも大切です。
編集部レポート/連載第4回 【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット 高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。 高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき...
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