編集部レポート/連載第2回
【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット
高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。
高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき認定しているのがサ高住です。
本サイトではサ高住をめぐり、ユーザーが知っておくべき課題と居住のメリット等について、連載でレポートいたします。
【第2回/〝サ高住のイメージがつかめない〟3っのワケ】
今や認知度も高くなったサ高住ですが、もう一つ具体的なイメージがつかめない、という声が少なくありません。
その理由のひとつが、「サービス付き」という言葉ではないでしょうか。
サ高住では、法律で義務づけられたサービスは「安否確認(状況把握)」と「生活相談」の2つのみで、それ以外のサービスはおおむねオプションとなります(以下のグラフ参照)。
「サービス付き高齢者向け住宅において提供されるサービス」
したがって、サ高住のサービス内容は各々の住宅で異なるわけです。
イメージがつかみづらいというのもうなずけます。
事業者は民間主導、介護・医療業界からの参入が8割
「サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者」
次に、サ高住の事業者について見てみましょう(上のグラフ参照)。
主に社会福祉法人等が運営する特別養護老人ホームと違い、サ高住の事業者は営利目的の民間企業が多く、株式会社が6割を占めています。
また、業種別に見てみると、介護系と医療系の事業者が全体の8割にも及ぶのが現状です。
このようにサ高住は事業者が多様なところが、サービスの多様化につながり、イメージの輪郭があいまいになった一因と言えるでしょう。
自立から認知症まで、幅広い入居者の心身状態
もう一つ、入居者の心身の状態もサ高住では実にさまざまです。
野村総研の調べによると、自立から要介護2までの軽度要介護者の割合は64.7%で、有料老人ホームの54.0%を上回っています(サ高住の方が自立が多い)。
その一方で、認知症判定基準Ⅱ以上である「日常生活に支障をきたす症状・行動等が多少見られる」という入居者も、サ高住では40%に上るのが実状です。
このように「入居者の幅の広さ」も、サ高住の分かりにくさの一つと言えます。
以上3点の実態から見えてくる、サ高住の課題とは何でしょうか。
サ高住は前述のような多様性により、たとえば入居の条件が要介護度2以下であったり、逆に要介護度3以上でないと入居できなかったりと、入居の要件にばらつきが見られます。
ユーザーはサ高住としてひとくくりにせず、何よりも一つひとつよく見極める目を持つことが大切です。
編集部レポート 【シリーズ】サ高住の知られざる課題と居住メリット 高齢者の住まいの新しい受け皿として今、「サービス付き高齢者向け住宅」(以下「サ高住」という)が大いに期待されています。 高齢の単身・夫婦世帯が安心して居住できる賃貸住宅として、行政が法律(高齢者住まい法)に基づき認定している...