〝高齢期の住まいの改修ガイドライン〟国交省が公表
「住み慣れた町(今の自宅)で、最期まで暮らせますか」
老後の生活相談で、多くの方々から聞かれる切実な声です。
そんなシニア世代のために、国が支援に乗り出しました。
国土交通省は昨年、「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」を公表。
自宅(戸建て)を改修することを推奨しています。
例えばヒートショック防止等をめざす「温熱環境」など、8つの重要な改修ポイントを挙げた点が見どころです。
(→「ヒートショック」とは)
当サイトでは今回の〝改修ガイドライン〟を連載で紹介してまいります。
第1回「いつまでも外出できますか?」
社会から孤立すると、死亡率がなんと2倍超へ
外に出ることがおっくうになると、買い物に行かなくなったり、人と会う機会が少なくなるなど、孤立しがちになります。
孤立し閉じこもっている高齢者はそうでない人より、死亡率がなんと2倍を超えると発表されました(2018年、東京都健康長寿医療センター研究所)。
玄関から道路に出るまでのわずかな距離でも段差があると、将来足腰が弱ったとき「外に出たくないな」と自宅に引きこもってしまいます。
もし玄関まわりに段差があれば、今のうちに解消しておきましょう。
外に出かければ、笑顔も増える
社会とつながる〝玄関〟にしたい
改修のポイント(改修の方法は一例です)
➊玄関から道路(外)まで安心して歩けるように―
⑴玄関のアプローチはスロープをつくり、段差を解消する
⑵玄関に手すりや照明を設置する
⑶玄関の扉は、開けやすい「引き戸」に交換する
➋外出や来訪がしやすいよう玄関内は―
⑴下駄箱の大きさや配置を見直し、玄関のスペース(土間)を広くする
⑵玄関内に収納スペースを設ける(外出用のつえ、キャリーカート等を収納)
⑶手すり(縦タイプ)や小さなベンチ(腰かけ)を設置する
➌玄関の改修が難しい場合は、縁側等からバリアフリーの経路を確保できるよう、縁側等にデッキやスロープ、手すりを設置する(→「バリアフリー」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
改修すれば、こんな効果が期待できます!
○家族や友人、地域の人たちとの交流が増え、日々の生活が充実します
○運動機能や意欲が衰えるのを防ぎ、健康で自立した老後が過ごせます
○身体が弱くなっても外出できます
出典:「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」➡ダウンロードはこちら
<つづく>