編集部レポート
学生・子育て層・シニア向けの住宅1150戸、オープン!
都心の近くに残された数少ない、緑豊かで広大な土地に2018年、多世代が共に暮らす街「江古田の杜(えごたのもり)」(中野区)が誕生しました。
4万㎡の広大な敷地に、学生向けと高齢者向けの賃貸住宅、ファミリー向けの分譲や賃貸マンション、有料老人ホームなど約12棟の住宅・施設を建設し、1150世帯もの居住エリアを新たに開発した一大事業です。
この独創的な街づくりのコンセプトと、自立型のサ高住※「グランドマスト江古田の杜」について、2回にわたりレポートいたします。※サ高住は「サービス付き高齢者向け住宅」の略称
食堂に集う小学生や老夫婦の姿
ひときわ目立つ大きなガラス張りの食堂・ラウンジ「えごたいえ」(約200席)は、この街の〝顔〟と言える存在です。
ガラス越しに見えたラウンジ内の光景は、静かに勉強する小学生の女の子たちや一冊の本をのぞき込む老夫婦、一人のんびりとスマホをいじる20代の女性、真剣な表情で商談する中年の男性たちなど。
いわば街のダイニングとして、人々が思い思いに集まってくるコミュニティの拠点と言えます。
この江古田の杜は国家公務員宿舎の跡地利用のため、中野区の支援の下でUR都市機構(国)と積水ハウス、総合東京病院の3者が協働して造り上げた再開発エリアです。
打ち出したコンセプトは「多世代により育まれる持続可能な地域をつくる」。
一つの街の中でライフステージ(年代)に応じ、各種形態の住まいへ次々と住み替えてもらうことを考えています。
シニア健康体操や音楽会で交流
最大のキャッチフレーズは、子どもを中心に多世代交流を育む「コドモイドコロのある街」です。
開発者の積水ハウスではその意味をこう話しています。
「江古田の杜は子どもたちの笑顔のまわりに人々が集い、そこから生まれる多世代の絆によって発展してほしい。
自ら成長しようとする子どもたちがその機会を見つけ、新しいことに挑戦する子どもたちの居場所を作りたい」
そんな街の中核となる食堂・ラウンジでは、イベントを定期的に開催しています。
たとえば「シニア健康体操」を実施したり、プロを招いた「森のクラシック音楽会」なども盛況でした。
地域の住民にも参加を呼びかけ、世代を超えて交流を図っています。