老若男女問わずどんどん多様化している住まい。これまで「おとなの住む旅」でも二地域居住(デュアルライフ)やマルチハビテーション(多拠点居住)をご紹介してきました。これらの暮らしぶりと同じく近年注目を浴びているのがノマドです。若者のライフスタイルと考えられますが、高齢者の間でも今後ますます浸透していくだろうライフスタイルと言えます。
二地域居住とノマドの違いとは?
そもそもノマドとはどういった暮らしぶりなのでしょうか。二地域居住・多拠点居住との違いは、この二つのように拠点がない(定住地がない)ことです。二地域居住・多拠点居住のように暮らす場所を設けていないのです。
ノマドの語源は「遊牧民」
ノマドとは英語で「nomad」と表記し、「遊牧民」や「放浪者」を意味します。この言葉から、前述したように拠点がないため移住しながら暮らす人とされています。
近年はこれに加えて時間の自由も加えられています。ノマドワーカーという言葉がまさにこれで「時間・場所にとらわれずに働く人」と言われています。
ただ近年は「定住地を持たず移動しながら暮らす人」という本来の意味から派生して、「時間と場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方」として使われています。
ノマドは高齢者にも普及する可能性大
ここまで読むと、ノマドは体力がある若者がしやすい暮らし方と思われるでしょうがそうではありません。20代30代だけでなく、50代以降もノマドライフを楽しむ人が増えているようです。以前「おとなの住む旅」でも旅するように暮らす50代にインタビューしました。
20年以上にもわたるサンフランシスコでの海外生活を経て、終の住処を探す旅をスタートした「まこ」さん。 この度、「おとなの住む旅」では、まこさんへインタビューを行いました。 まこさんの豊富な海外生活経験や、日本国内を旅する姿から、終の住処を選択するための大切なポイントを学ぶことができま...
前回に引き続き、おとなの住む旅では、「まこさん」へインタビューを行いました。 まこさんは、20年以上にもわたるサンフランシスコでの海外生活を経て、「終の住処」を探す旅をスタートした方です。 まこさんの豊富な海外生活経験や、日本国内を旅する姿から、終の住処を選択するための大切なポイント...
今後ノマドは幅広い世代に広がることが考えられますし、高齢者の間に浸透してもおかしくないと言えます。
アメリカ人高齢者のノマドライフを伝える映画「ノマドランド」
アメリカでは高齢者のノマド化は進んでいるようです。今年3月に公開された映画「ノマドランド」では、60代女性がリーマンショックで家を失い、キャンピングカーでノマドライフを行う様子を描いてます。この原作はノンフィクション・ノベル。2008年の金融危機で職を失い、キャンピングカーで各地を転々とするアメリカの労働者たちの暮らしぶりを取材したものです。
この映画で主人公はノマドライフをせざるを得ない状況になったから始めましたが、定住地がなくても年齢関係なく暮らすことは十分可能であるというのが、この映画からわかるかと思います。
ちなみに「ノマドランド」はアカデミー賞作品賞・監督賞・主演女優賞の3部門を受賞しています。
高齢者の暮らし方も多様性が当たり前に
定住が当たり前でなくなった今、住まいの選択肢はさまざまです。ノマドは今後日本の高齢者にも浸透していくでしょうが、いきなり拠点をなくすのは怖いもの。それならば拠点はあるけど一ヶ所に留まらない二地域居住や多拠点居住がオススメです。
住まい方は一つではありません。セカンドライフだからこそ、自分の気持ちに素直になって、自分に合う住まい方を選んでみませんか?「おとなの住む旅」では二地域居住や多拠点居住を実践している人の声をインタビュー記事にして発信しています。
新たな暮らし方に興味がある人はぜひご覧ください。