「長引くコロナ禍がアクティブシニアにどんな影響を与えたのか?」
このテーマを掘り下げた調査データが本日発表され、シニア世代の暮らしにおいてオンラインの利用が急速に進んだという、昨今のコロナ禍の生活状況が明らかになりました。
オンラインが普及した背景には、孤立した不安な日々を乗り切ろうとするシニアの皆さんの姿が見えてきたのです。
詳細を見ていきましょう。
動画投稿サイトなどメディアの多様化進む
今回の調査は広告事業大手の㈱博報堂が今年3月、シニア向けSNSコミュニティサイト「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」の会員797名(60-94歳)を対象にアンケートを実施したものです(同サイトを運営する㈱オースタンスと合同調査)。
これによると、昨年4月に行った前回の調査と比較したところ、次の3点で大きな変化が見られました。
※調査対象は「趣味や交流を楽しんでいる活動的な60歳以上のアクティブシニア」
【本調査のトピックス】「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」アンケート
➊「動画投稿サイト」「ネットショッピング」「WEB会議ツー ル」などの利用が増え、オンライン行動の多様化が見られた(1年前より10pt以上増加)。一方、「ネットニュースを読む」は減少した。
❑「動画投稿サイトの視聴(20年:27.6%⇒21年:39.6%)」「ネットショッピング(20年:12.9% ⇒21年:30.0%)」「メッセンジャ―ジアプリ(20年:10.6%⇒21年:16.3%)」「web会議ツール) 20年:2.3%⇒21年:11.9%)」は増加。
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3倍も急伸したネットショッピング
➋「コロナ前と比べ、ネットショッピングの利用が増えた(20年:9.6%⇒21年:30.5%)」と答えたシニアが、約3倍もの急速な伸びを示した。
❑オンライン購入が多いものは「衛生商品(マスクなど) (20年:15.9%⇒21年:15.3%)」「趣味関 連商品(20年:11.6%⇒21年:18.9%)」「食品(20年:9.9%⇒21年:15.2%)」。
❑オンライン購入が増えたものは「家電・電化製品(20年:3.6%⇒21年:13.3%)」「趣味関連商品 (20年:11.6%⇒21年:18.9%)」「衣類(20年:3.2%⇒21年:10.4%)」。
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女性の半数が孤独感、テレビ・動画でやわらげる
➌孤独を感じている人は昨年より増加(20年:39%→21年:44.8%)。特に「女性」と「後期高齢者」が上昇。女性の2人に1人はコロナ前と比べて孤独に。「エンタメコンテンツ」と「メッセンジャーアプリ」で孤独を癒している。
❑コロナ前より孤独を感じている人は1年間で約5ポイント増加。特に女性(20年:38.0%⇒21年 50.5%)と後期高齢者(20年:43.3%⇒21年51.9%)がともに過半数を超えている。
❑孤独感を和らげる助けになっているものの1位は「テレビ・動画・本を楽しむ(58.8%)」、次いで「メッセンジャーアプリやメールのやりとり(48.8%)」、「メッセンジャーアプリでの通話(21.1%)」と続いた。
本記事とグラフ(4点)の出典:㈱博報堂 プレスリリース
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