昨日(3月25日)、東京都が開いた緊急記者会見では、過去最多となる41人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表。
「感染爆発の重大局面だ」と述べた小池百合子都知事は、今週末の不要不急の外出自粛をするように呼びかけました。
高齢者にとっては、外出自粛で家に引きこもるということはフレイル(虚弱)へと繋がりかねません。
今回は、そんな高齢者に忍び寄るフレイル(虚弱)について、またフレイル(虚弱)を回避する方法についてご紹介します。(→「フレイル健診」とは?)
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高齢者に忍び寄るフレイル(虚弱)とは
“フレイル(虚弱)”とは、加齢に伴って心身が老い衰えた状態のこと。
「虚弱」や「老衰」・「脆弱」という意味を持つ英語の『Frailty(フレイルティ)』が由来となっています。
フレイル(虚弱)の状態に陥ると、免疫低下による合併症を引き起こす可能性や、要介護状態になる可能性がぐんと高まります。その状態へ陥る前に早い対策(予防)を行うことが必要です。
外出自粛で家に引きこもるということは、一日中テレビを見たり、ボーッとする時間が少なからず増えるでしょう。誰かと喋る時間も少なくなるので頭の動きの低下にも繋がり、社会からの孤立感も感じるようになります。
フレイル(虚弱)の原因について
下記項目は生活不活発(動かないこと)の事例です。この項目の幾つかが重なった時にフレイル(虚弱)へと繋がっていきます。
◯加齢、もしくは疾患による身体能力、筋肉の低下
◯運動する頻度の減少
◯認知能力、判断能力の低下
◯必要な栄養の不足
◯人との交流の減少
◯一人でいる時間が多い(引きこもり、社会参加の拒否)
◯日常的に管理が必要となる病気の発症
フレイル(虚弱)の診断基準について
下記項目がフレイル(虚弱)のチェック項目となるので、ぜひ参考にしてみてください。
【身体的チェック項目】
◯運動する頻度が減った
◯疲れやすくなった
◯外出する頻度が減った
◯歩くスピードが遅くなった
◯食べる量が減った
◯明らかに栄養が足りていないのに、空腹感がない
◯物忘れがひどくなった
【精神的チェック項目】
◯物事を考えるのが億劫になった
◯ぼーっとすることが増えた
◯気分の上がり下がりが激しい
◯物忘れがひどくなった
【社会的チェック項目】
◯外出する頻度が減った
◯人としゃべることが億劫になった
◯一人でいることが増えた
【フレイル(虚弱)の事前対策】生活不活発に気を付けよう
続いて、フレイル(虚弱)の状態に陥る前にしておくべき対策や予防についてご紹介します。
動かない時間を減らそう
具体的には、自宅でラジオ体操やストレッチをすることです。座っている時間を減らし、テレビを見ている間も立って足踏みするだけでも効果があります。
バランスの良い食事を取ろう
しっかりとバランスの良い食事を摂ることで、免疫力を保ち病気にかかりにくくなります。食べることで嚥下機能の衰えを妨げることに繋がるので、言語療法としても効果があります。
毎日おしゃべりをしよう
毎日、電話でおしゃべりをするだけでも口の力の衰えを防ぐことができます。音楽をかけて歌を歌うことも効果があります。
家族や友人と支え合おう
外出を自粛する今だからこそ、友人や家族との交流が大切です。新型コロナウイルスに関しての最新情報や買い物で不足している物など、より意識してコミュニケーションを取るように心がけましょう。
【高齢者の外出自粛】新型コロナによるフレイル(虚弱)を事前に防ぐポイント
外界との接触が遮断されてしまうと、一人きりで生活している場合は生活リズムが崩れやすくなります。
食事時間や睡眠時間が不規則になりがちですので、朝起きた時はカーテンを意識的に開ける、暗くなったらカーテンを閉めるなど、日常当たり前にしていることを大切にし、生活不活発とならないように心がけましょう。
また、一人では防げないこともありますので、家族や友人の支え合いが必要です。
(引用元:健康長寿ネット)
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