連載企画『高齢者の住まいの選び方』では、高齢者向け住宅や老人ホーム等を紹介している「プラスライフ高齢者住まい相談室」にインタビューしました。
「高齢者向け賃貸住宅」はバリアフリー設計で24時間駆けつけサービスや相談窓口があるなど、最低限の安心安全が確保されている住まいです。(→「バリアフリー」とは?)
自宅に住み続けていると、段差で転倒して要介護になるリスク、一人暮らしだと老化が進むといった問題がありますが、高齢者向け住宅ならルールにしばられず、自宅と同じく自由に生活できるところがメリットです。
一方で、ユーザーにとっては不安に感じたり、住み替えのタイミングなどについて迷うことばかり。
そのあたりをプロの相談員に聞いてみました。
Q. 高齢者向け賃貸住宅への不安は?
最も多く寄せられるのが、こんなご質問(不安)です。
「将来、要介護度が重くなったとき、出ていかなければなりませんか?」
「いつまで入居していられるのですか?」
入居にあたっては認知症の方だったり、要介護度の重い方は入居が難しい場合もありますが、入居した後は身体の衰えによって退去を求められることはありません。
身体が衰えても、退去は求められず
但し、万が一認知症になられて館内を徘徊してしまうなど、他の入居者との共同生活が困難になったときは継続できない可能性もあります。
そこは普通の賃貸マンションと同じルールだと考えてください。
入居した後に要介護度が重くなってしまったときは、今後どうすればいいのか、ご相談しながら対応しています。
Q. 住み替えに適した年齢は?
一般的には70代半ばくらいから住み替えを考え始める方が多いのですが、65歳以降でなるべく早いうちに住み替えるのがベストだと思います。
住み替えまでの流れは、相談→ 見学→ 検討→ 申込→ 契約→ 引越しですが、元気なときと体力が弱くなったときの労力と時間は、3倍ほど違ってきます。
早めに入居して、さまざまな生活支援サービスの恩恵を受ける方が賢明ではないでしょうか。(→「サービス付き高齢者向け住宅の〝サービス〟」とは?)
早いうちに住替え、充実したセカンドライフを
早めに住み替えて満足されているのは主に、次のような方々です。
【早めに住み替えるご高齢者の属性】
・自立して生活できる元気な方(→「自立型」サ高住とは?)
・子どもがいない方(将来の介護に備え、先々のアンテナを張っている)
・一人暮らしの女性
・残りの人生をできる限り健康でいたい方(介護施設に入りたくない)
・食堂(食事サービス)を目当てに入居する自立者の方
「老後の住まいはどのタイミングで、どのような選択をするか」、とても大事なテーマです。
早いうちから考え始めれば、きっと充実したセカンドライフを送ることができると思います。(→「セカンドライフ」とは?)
■取材協力:「高齢者住まい相談室」の相談員の皆さん(写真付き)
❑参考記事:自立型のサービス付き高齢者向け住宅「グランドマストシリーズ」(動画)はこちら
<つづく>
高齢者向け住宅や老人ホーム等の募集・契約を手がける株式会社イチイ シニア事業部。 当事業部からの投稿文「高齢期の住替えを考える」を連載でお届けいたします。 【今号のキーワード】 「仙台まですぐに駆けつけるのは難しいですね。父には私の家の近くで暮らしてほしいと思っています」 第3回『要...
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