幅広い年代から人気を集めているeスポーツ。シニア世代の間でも人気が出ていますが、eスポーツについてどれくらい興味を持ち、どのように思っているのでしょうか。
雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて、50代以上のインサイトを日々探求する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、50~86歳の女性を対象に、「eスポーツに関する意識と実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。シニア女性のeスポーツに対する思いを見てみましょう。
デジタルゲームをするシニア女性は増えている!
はじめに、デジタルゲームとオンラインゲームの経験率を調べました。すると、対面型・紙・ボードを使わず、デジタル機器で行うデジタルゲームの経験率は41.7%という結果になりました。2年前の2023年の調査での経験率は32.3%であり、9.4ポイントアップしています。
それに対して、オンラインゲームの経験率は5.5%とまだまだ少ないことが分かりました。インターネットを経由して複数のプレイヤーと同時にプレイする形態は、広く浸透しているとは言いがたいことが分かります。また、オンライン上とはいえ知らない人と一緒にゲームをすることに抵抗があるシニアもいると考えられます。
次に、年齢別経験率を調べました。前回調査時(2023年)と比べると、デジタルゲームは50代後半から70代前半にかけての経験率の増加が顕著でした。さらに、「最近は若い人だけでなく幅広い年齢層になってきている。楽しくできるし、良いと思う。(60歳)」、「体力がなくても気軽に楽しめる。(61歳)」と、前向きな意見が多く寄せられています。
シニア女性は何を基準にデジタルゲームを選ぶ?
では、シニア女性がデジタルゲームを選ぶ基準とはどのようなものでなのでしょうか。1位は「暇つぶしに適していること」、2位は「ルールが簡単・単純で、初心者から楽しめること」、3位は「頭や脳によさそうであること」でした。
また、14位に「昔やったことがある」、16位に「周囲でやっている人が多い」がランクインしていることから、経験の有無が選ぶ基準になるとは言えないことが分かりました。
シニア女性の「eスポーツ」認知率はどれくらい?
「eスポーツ」という言葉の認知率を調べると、91.5%と高い結果になりました。シニア層でも広く知られていることが分かります。一方で、視聴経験(テレビやネットで見たことがある)は17.3%、実際にプレイしたことがある人は1.8%にとどまっています。認知度は高いものの、視聴・体験率は低く、実際の関与は限定的であることが分かりました。
シニア女性の「eスポーツ」のプレイまたは視聴の関心度は?
次に、eスポーツのプレイまたは視聴の関心度を調査しました。すると、関心がある人は47.7%と約半数を占めます。年齢別の傾向を見ると、プレイの関心が特に高いのは70代、視聴への関心は60代が高い結果となりました。一方で50代はプレイ・視聴ともに関心が低く、特に50~54歳では「どちらにも関心がない」が70.8%と突出しています。
「プレイ/視聴」のいずれかに関心があると回答した47.7%(190名)に、その理由を尋ねた結果、1位「脳に良さそうだから」、2位「ストレス発散になりそうだから」、3位「人と交わりながら遊べるから」となりました。プレイそのものの楽しさや上達、賞金獲得を目的とするよりも、脳トレ・ストレス発散といった心身の健康における好影響や、コミュニケーションを求める傾向があることが分かりました
一方、通常のデジタルゲームを選ぶ基準でトップだった「暇つぶしに適しているから(暇つぶしによさそうだから)」は、eスポーツに関心がある理由の12位(17.4%)という結果に。関心を持つ強いきっかけにはならないことが分かりました。
シニア女性の「eスポーツ」に関心がない理由
eスポーツに関心がない理由も尋ねたところ、1位は「目に悪そうだから」と、シニア層ならではの結果に。2位は「面白そうと思えない」、3位は「時間の無駄」と個人の嗜好に関わる理由が続きます。
他には「ゲームをする機器がない・家にそのような環境がないから」(5位)、「お金がかかりそうだから」(7位)といったeスポーツ特有の要因や、「難しそう」(9位)、「若い人がやるものだから」(12位)といった理由もあがっていました。
シニア女性の「eスポーツ」に対するイメージ
最後に、eスポーツのイメージを聞いてみたところ、「若者向け」「難しそう」「暗い」というマイナーイメージから、「脳トレ」「コミュニケーション」「現代的」といった良いイメージに両極化していることが分かりました。しかし、eスポーツについて説明すると、「認知予防」「バリアフリー」「世代を超えて楽しめる」など好意的な意見が見られました。
以上、50~86歳の女性を対象にした「eスポーツに関する意識と実態調査」でした。eスポーツは自宅にいながらできるので、新たに趣味を持ちたい方も始めやすい娯楽です。いきなりeスポーツをするのに抵抗がある人は、スマホアプリでデジタルゲームに慣れてから始めてみてはいかがでしょうか。
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