世界中で人気を集めているeスポーツ。認知症予防への効果が期待されることからシニア世代にも普及しており、eスポーツを導入する高齢者施設も増えてきました。
地方自治体もシニア世代に向けたeスポーツの取り組みを始めているようです。今回ご紹介する奈良県磯城郡川西町では、eスポーツを活用したフレイル予防事業が行われました。
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奈良県磯城郡川西町で実施、シニア14名がeスポーツプログラムに参加
(株)PREVENTとNPO法人川西スポーツクラブによる川西町eスポーツコンソーシアムでは、奈良県磯城郡川西町の協力のもと、川西町民を対象としたeスポーツを活用したフレイル予防事業を実施しました。
川西スポーツクラブは2022年11月から2023年2月までの3ヶ月間、週に1回のeスポーツ教室を開催し、14名のアクティブシニアが参加。測定項目は以下のとおりです。
・Time up & goテスト(以下、TUGテスト):握力、転倒リスクの高さを反映
・Short Physical Performance Battery Score(以下SPPB):バランス、4m歩行、椅子からの立ち上がりの速度を測定
・世界標準化身体活動質問票:身体活動量を測定
・The Montreal Cognitive Assessment (以下、MOCA-J):認知機能を測定
・主観的幸福度尺度:Well-beingを測定
・EuroQol 5-dimensions 5-levels:Quality of Lifeを測定
14名のうち最終評価を行ったのは12名(平均年齢:71.9±2.98、男性3名・女性9名)。その結果、TUGテストが平均6.1秒から5.8秒へ、椅子立ち上がりテストは平均8.2秒から5.5秒へ。SPPBを地域高齢者用に補正したSPPB-地域高齢者補正のスコア(SPPB-com)も平均7.4から9.5と改善しました。また、開始時点では軽度認知機能の疑いの指標である25点以下が6名だったのに対し、終了時には1名に減少するなど、有意な改善を認めました。
今回の実証から、eスポーツによる3ヶ月間の取り組みは身体機能・認知機能を改善することが示唆されました。
eスポーツに参加したアクティブシニアの声
参加者からは「eスポーツで心がとても暖かくなりました」「楽しい時間を過ごせて、笑うことが多かった」「良い結果でも悪い結果でも笑えて心身ともに良いと思いました」と喜びの声が寄せられています。
身体機能・認知機能の改善だけでなく、メンタルヘルスにも効果が見られたと言っていいでしょう。今後もeスポーツを活用したシニア世代のサポートの普及に期待しましょう。
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