コロナ禍のテレワーク普及によって地方移住や二地域居住(二拠点居住)、田舎暮らしでの半農半X(はんのうはんエックス)の人気が高まっている昨今ですが、東京都内でも農業を楽しめるエリアは多くあります。まちの魅力として農業を取り上げて「農のあるまち」とアピールする自治体も増加中です。
都内の農地割合2位、新田開発から続く約300年の歴史を持つ東京都国分寺市もその一つで、現在じわじわと注目を集めているのが「武蔵国分寺種赤米」です。そんな赤米を育てる「国分寺赤米会」がクラウドファンディングをスタートしました。
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若者からシニア層まで集まる「国分寺赤米会」とは
「国分寺赤米会」とは、国分寺市由来の「武蔵国分寺種赤米」の普及啓発を目的に2018年に設立された任意団体。お米というと水田のイメージですが、市内農地で 陸稲(畑)栽培をしています。子ども達にも赤米の歴史と意義を伝えるべく、地元小学校とタイアップして穂刈りや千歯扱き、籾摺りなど耕作体験や座学などを実施しています。
参加者の年齢は幅広く、多世代交流ができるコミュニティです。参加者は経験不問、地元住民だけでなく市外から参加する人も。
なぜ国分寺で赤米?
赤米とは“古代米”と呼ばれるジャポニカ種の一つ。日本に最初に伝わった稲と言われています。特徴は早稲型(播種から出穂まで90日余り)、草高は高く150~160cm、赤く長い芒(のぎ)が目印です。
赤米は中世に広く普及しましたが、明治中期以降は稲が倒れやすい・味が劣るなどの理由で除去政策が行われ、いつしか幻の存在となりました。
姿を消した赤米がいまだに残る地域として有名なのが岡山県総社市・鹿児島県南種子町・長崎県対馬市です。このことから、西日本にしかないと思われていましたが、なんと東京都国分寺市東恋ヶ窪の畑から1997年に発見! これは東日本で初めての発見です。
名前の由来は国分寺の歴史にあります。国分寺は奈良時代に「武蔵国分寺」が建立され、その史跡は大正11年に国指定史跡に指定されました。この歴史ある土地にちなんで「武蔵国分寺種赤米」と命名されたのです。
地域活性化にもつながる「国分寺赤米会」のクラウドファンディング
地元酒屋から「甘酒を作ってみないか」と声がかかり始まったこのプロジェクト。赤米を使った甘酒を通して赤米の歴史や魅力を知ってもらい、一緒に赤米を作る仲間を増やすことを目的としています。新しい趣味を始めたい人や農業体験をしたい人にはピッタリなコミュニティです。
返礼品には甘酒のほか、耕作体験や赤米メニューを提供している「史跡の駅 おたカフェ」の飲食チケットなど、味わうだけでなく体験できる特典を用意。地域活性にもつながる返礼品は、今後のクラウドファンディングのロールモデルになりそうですね。
半農半Xや稲作に興味がある人や、新たな趣味やコミュニティ活動を始めたい人はぜひ応援してみてはいかがでしょうか。
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