98歳の今もなお最前線で作品づくりに取り組む影絵作家のレジェンド・藤城 清治(ふじしろ せいじ)さん。
藤城さんが1982年に刊行し77刷を重ねた影絵絵本の伝説的ロングセラー『銀河鉄道の夜』が今月18日、「新装版」として新たに出版され、40年ぶりに生まれ変わりました。
色鮮やかによみがえった影絵とその描かれた宮沢賢治の世界が、早くも話題を呼んでいます。
高齢感じさせず「ぼくの影絵を楽しんで」
この『新装版 銀河鉄道の夜』(原作:宮沢 賢治、文・絵:藤城 清治)は、講談社が8月18日にリリースした新刊の影絵絵本です。
既刊の「銀河鉄道の夜」は、藤城さんが1950年代から影絵劇として上映してきた舞台を絵本にしたもので、これまでも多くの読者に愛されてきました。
今回の新装版では、40年前のフィルム画像を最新のデジタル技術でさらに美しくしたほか、一点一点の影絵をゆったりと堪能できるようページを増量しています。
この不朽の名作「銀河鉄道の夜」のあまりにも有名なストーリーはー。
『貧しく孤独な少年ジョバンニが親友のカンパネルラに誘われて「銀河のお祭り」へ。偶然、銀河鉄道に乗ることになった少年たちの美しくも悲しい夜空の旅とは-』
藤城清治さんは今回の新装版に、こうコメントを寄せています。
『宮沢賢治の世界とぼくの影絵の世界をより楽しんでもらえるようになったと思う。』
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すべて手作業!光と影のバランスの妙技
影絵作家の第一人者、藤城清治さんの作品はすべて手作業によるものです。
色とりどりのカラーフィルムを両刃のカミソリでカットし、背面からライトを当てて、光と影のバランスを調整しながら創り上げていく。
そんな独特な手法で知られています。
藤城さんは1948年、『暮しの手帖』の創刊者・花森安治さんとの出会いにより、影絵作家として本格的に活動をスタート。
以来、70年以上にわたって数多くの作品を発表し、展覧会も国内外で開いてきました。
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1948年、影絵作家として活動開始
【藤城清治 プロフィール】
1924年東京に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。12歳から油絵を始め、独立美術協会展などに入選。1948年より雑誌「暮しの手帖」に影絵を連載。また、影絵劇団・木馬座の上演、展覧会の開催など多彩な活動を続ける。1983年には本作『銀河鉄道の夜』がBIB金のりんご賞を受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章など受章。著書は『セロ弾きのゴーシュ』(原作・宮沢賢治)、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』(原作・アンデルセン、訳・町田仁)など多数。
■新刊本の情報
⑴書名:『新装版 銀河鉄道の夜』
⑵原作:宮沢 賢治、文・絵:藤城 清治
⑶定価:2,530円(税込)
⑷サイズ:A4横
⑸発売日:2022年8月18日
⑹発行:講談社
この記事と画像の出典:㈱講談社 公式サイト
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