高齢者専門の著名な精神科医・和田秀樹さんの新刊本『80歳の壁』が、発刊からわずか3ヵ月で40万部近くのセールを記録し、話題を集めています。
特に注目点は、和田さんが「80歳を過ぎたら我慢しない生き方」を提唱し、「食べたいものは食べていい、お酒も飲んでいい」「男性ホルモンは元気の源」「子どもにはお金を残さなくていい」などとアドバイスしているところです。
数多くの高齢患者を診療し、看取ってこられた和田さんの言葉だけに、何といっても説得力があります。
主に団塊の世代から共感の声が続々と寄せられているという本書。
何がシニア層のハートに届いたのでしょうか。
新刊『80歳の壁』、高齢男性が支持!
この『80歳の壁』は幻冬舎(東京・渋谷区)が今年3月末に発刊した新書ですが、ネットよりも書店での売上げが好調とのこと。
主に男性から支持されているようで、書店では本を手にする高齢男性の姿が目立っています。
そんな書店の店頭では、本書のキャッチコピー『ラクして壁を超えて寿命をのばす「正解」がある!』”がひときわ目を引くのですが、その正解とはいかに―。
「今や人生100年時代」とはよく言われますが、現実には健康寿命の平均年齢が男性72歳、女性75歳です。
80歳を目前にして、寝たきりや要介護になってしまう人たちも少なくありません。
こうした「80歳の壁」は高くて厚いのも事実ですが、その壁を超えるための方法がある、と著者の和田さんは論じています。
それは、嫌なことは我慢せず、好きなことだけをする。
「血圧・血糖値は下げなくていい」「ガンは切らない」「おむつを味方にする」「ボケることは怖くない」「健康診断は受けなくていい」「薬は不調があるときだけ飲む」「運転免許は返納しなくていい」等々。
健康寿命をのばすための数々の方法は、いずれも「目からウロコが落ちる」かのようです。
⇒【シニアにおすすめの本】『死という最後の未来』石原慎太郎&曽野綾子著
「老いを受入れ、できること大事に」
【本書の目次】(抜粋)
プロローグ 80歳の壁を超えていく
〇老いを受け入れ、できることを大事にする
〇認知症は必ずやってくる。ならばいまのうちにしたいことをする
第1章 医者・薬・病院の壁を超えていく
・医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない
・ガンを切る、切らない。どちらが長生きできるのか
第2章 老化の壁を超えていく
・食事は我慢しない。食べたいものは食べる
・孤独は気楽でいい。誰にも気兼ねせず楽しめる
第3章 ボケ・認知症の壁を超えていく
・認知症を遅らせる方法。薬より頭を使うほうが有効です
・認知症は終わりじゃない。生きる知恵と力は残っている
第4章 高い壁を低くするヒント50音カルタ
・あ…歩き続けよう。歩かないと歩けなくなる
・け…血圧、血糖値は下げなくていい
エピローグ 人生100年の壁も超えていく
〇年寄りに不寛容なこの国。幸齢者は怒っていい
〇人生とは何か。幸せとは何か
❑本書の詳細はこちら
⑴発売:2022年3月28日
⑵定価:本体900円+税
⑶頁数:226ページ
30年以上高齢者医療に携わる
【著者略歴】和田 秀樹(わだ ひでき)
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。
東京大学医学部附属病院精神神経科助手などを経て、
現在は「和田秀樹こころと体のクリニック」院長。
高齢者専門の精神科医として、30年以上高齢者医療の現場に携わる。
『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、
『六十代と七十代 心と体の整え方』(バジリコ)、
『バカとは何か』(幻冬舎新書)など著書多数。
この記事と画像の出典:㈱幻冬舎 公式サイト
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