コロナ禍ですっかり変わった働き方と住まい。テレワークが市民権を得て、住まいも定住一択からその時々の自分に合う拠点で過ごすスタイルが普及してきました。この二つの変化はもはや年齢関係なし。高齢者の間でも広がっています。
こうした時流を受け、各地方自治体は移住・二地域居住検討者に向けてプロジェクトを続々スタート。移住したい県No.1の長野県も新たに動き始めるようです。
長野県は15年連続「移住したい県No.1」
ご存知でしたか? 長野県は15年連続で移住したい県1位。これは宝島社が発行する『田舎暮らしの本』の愛読者はがきによる「移住したい都道府県」の集計結果です。平成18年(2006年)以降連続1位という快挙を成し遂げています。また、県民の幸福度も最も高い県とも言われています。「日本でいちばんいい県 都道府県別幸福度ランキング」(寺島実郎監修、一般財団法人日本総合研究所編 東洋経済新報社:2012年12月20日発行)でも1位を獲得。この人気の高さから、いかに住みやすいエリアなのかがわかります。
移住したいと思わせる長野の魅力とは?
長野県は豊かな自然に囲まれながら都市圏へのアクセスも良好。全国第4位を誇る広さで、エリアごとに魅力も異なります。長野県は大きく9つのエリアに分けられます。
・北アルプスエリア:全国有数の豪雪地帯で、かつて日本海の塩を運んだ「塩の道」が有名。北アルプスを代表する安曇野市の名産はわさびや大自然の中で作られるワイン。「安曇野ワイナリー」も有名です。
・北信エリア:県の最北部に位置する豪雪地帯で、ウィンタースポーツが盛んです。1998年には長野オリンピックが開催されました。温泉に入る猿で有名な「地獄谷野猿公苑」も。
・松本エリア:新宿から特急1本でアクセスでき、「松本城」をはじめとする観光地から上高地などの自然も味わえる、多彩な魅力があるエリアです。
・長野エリア:千曲川と犀川が合流する善光寺平はその美しい眺望が魅力。四方には上信越国立公園など美しい山並みに囲まれています。
・上田エリア:県の東部・千曲川中流部に位置します。1583年に真田昌幸公が上田城を築城。歴史や文化を感じられるエリアです。
・佐久エリア:県の東の玄関口に位置するこのエリアは、北に浅間山・南に蓼科山・八ヶ岳と豊富な自然に囲まれています。軽井沢をはじめ、観光リゾート地としても親しまれてきました。
・諏訪エリア:「諏訪大社」や県内最大の湖・諏訪湖、少し足を伸ばせば霧ヶ峰高原や八ヶ岳中央高原など、歴史と自然を肌で感じられるエリアです。
・上伊那エリア:南アルプスと中央アルプスの狭間に流れる天竜川に沿って伸びている伊那盆地に沿ってさまざまな都市や農村が存在。その自然条件は果樹生産に好適です。また、モノづくり産業の拠点でもあります。
・木曽エリア:中央アルプスと御嶽山系に挟まれたエリア。長野県初の日本遺産・木曽路は、江戸から続く古い街並みが有名です。
・南信州エリア:県南の玄関口に位置するエリアで、穏やかな気候と南アルプスを臨む雄大な自然に恵まれています。大鹿歌舞伎・遠山の霜月祭り・今田人形など多くの伝統芸能が伝承されており、その穏やか気候は梨・柿や茶葉、和牛などにも適しています。
このように多彩な魅力が備わっている長野県。それぞれ特性があり、移住したくなるのも頷けます。
長野県の移住ポータルサイト「楽園信州」で、長野県の移住についての詳細を知ることができます。
移住に関する相談件数も全国1位!移住者数も増加
(出典:総務省「令和元年度における移住相談に関する調査結果」より)
テレワークの関心が高まったことで地方移住希望者の数が増えていると言われていますが、長野県への移住検討者も増えているとのこと。総務省の調査によると、各都道府県及び市町村の移住相談窓口等において令和元年度中に受け付けた相談件数は、全体で約315,700件。これは前年度から約17,700件増加しています。また、長野県は全国で最も相談件数が多い状況です。さらに、移住者数*においても平成29年度(1,908人)から増加を続け、令和元年度には計2,323人!コロナ禍でのテレワーク普及によって、長野県の注目がさらに高まることが予想されます。
*長野県の移住者の定義:長野県外から新たな生活の場所を求めて、自らの意思により県内に転入した者(ただし、新卒Uターン就職者、配偶者が県内の結婚転入、数年で転出の予定がある者は除く)
リアルな長野ライフを発信する「信州移住ラボ」スタート!
このように高い人気を誇る長野県ですが、これまでも「社会人を対象としたUIJターン促進事業」や、県外のIT人材・企業に県内に住んで仕事をする機会を提供する「おためしナガノ」など、移住や二地域居住につながるさまざまなプロジェクトを行ってきました。
2021年2月24日(水)に新たに始まった「信州移住ラボ」も二地域居住や移住推進のためのプロジェクトですが、今回話題を呼んでいるのはそのターゲット。若年世代やクリエイティブ人材をメインターゲットとし、彼らの県内への移住・二地域居住やリゾートテレワーク(ワーケーション)、副業・兼業促進を図ります。若年層・クリエイティブ人材の移住の答え探しをサポートする取り組みなのです。
「信州移住ラボ」概要
「信州移住ラボ」では、移住に関する疑問・悩みに向き合うコンテンツを制作・発信していきます。2021年3月中旬までに4つの記事コンテンツを制作し、長野県が今年3月に新たに開設する移住関連情報の総合サイト「SuuHaa(スーハ―)」と二地域居住者向けサイト「ニブンノナガノ」、クリエイティブ人材に多く支持されているメディア「CAIXA -好奇心を入れる箱-」で公開予定です。
コンテンツ制作には、全国ローカル地域の情報発信に強みをもつ編集者集団(株)Huuuuが参画。長野県知事 阿部守一氏への「長野県への移住」に関するインタビューをはじめ、多様な移住事例を紹介していくとのこと。従来の移住促進施策にはない、リアルな切り口で情報発信をしていきます。
高齢者にも移住や二地域居住が当たり前に
ご紹介した「信州移住ラボ」は若年層やクリエイティブ人材がメインターゲットですが、今後このようなターゲットを絞ったプロジェクトが盛んになることが予想されます。高齢者に向けた地方自治体からの新たなアプローチが始まるかもしれませんね。
しかし、既に高齢者の移住・二地域居住をサポートする取り組みがサ高住でも始まっています。それが「家具・家電付きサ高住」といったサービスです。積水ハウス施工のサ高住「グランドマストシリーズ」では、この「家具・家電付きサ高住」プランをスタート。
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住まいに対する考え方がガラッと変わった昨今。これまで住まいの基準は定住でしたが、その時々の自分に合わせた場所で暮らす二地域居住やマルチハビテーション、都会からあえて外れたエリアで住む移住など、コロナ禍で住まい方の選択肢がググッと広がりました。 (→「マルチハビテーション」とは?) こうい...
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