〝高齢期の住まいの改修ガイドライン〟国交省が公表
高齢者には自宅が住みやすいとは限りません。段差があったり、築年数が経過して修繕も増えたり‥。
どうすれば住み慣れた我が家で最期まで暮らせるのか、といった不安の声を耳にします。
そんなシニア世代のために、国が支援に乗り出しました。
国土交通省は昨年、「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」を公表。
自宅(戸建て)を改修することを推奨しています。
例えばヒートショック防止等をめざす「温熱環境」など、8つの重要な改修ポイントを挙げた点が見どころです。
(→「ヒートショック」とは)
当サイトではこの〝改修ガイドライン〟を連載で紹介してまいります。
〝高齢期の住まいの改修ガイドライン〟国交省が公表 「住み慣れた町(今の自宅)で、最期まで暮らせますか」 老後の生活相談で、多くの方々から聞かれる切実な声です。 そんなシニア世代のために、国が支援に乗り出しました。 国土交通省は昨年、「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイ...
第2回「住宅内の温度差を整え、ヒートショックを防ごう!」
入浴中に亡くなられた野村克也さん
今月11日、プロ野球元監督の野村克也さん(享年84)が入浴中にお亡くなりになりましたが、ヒートショックが原因だったのではないか、との医療関係者のコメントが注目されています。
「ヒートショック」とは急激な温度変化が身体に与える衝撃・ショックのことです。
ヒートショックによる事故は「温熱環境」(暑くも寒くもない〝快適な〟温湿度の環境)が整っていない家の中で起きやすくなります。
また、温熱環境が不十分だと、寒いトイレや風呂場(入浴)に行くのもおっくうになってくるものです。
知らず知らずのうちに日頃の生活で活動量が減り、要介護になってしまうというリスクも高まります。
厳しい寒さが続き、夜はしっかり湯船に浸かって体を温める人も増えてきたのではないでしょうか。湯船に浸かるのは体にいいことではありますが、この時期気をつけたいのがヒートショック。特にシニア世代は要注意です。そこで今回はシニア世代にも気をつけてほしいヒートショックについてご紹介します。 ヒートショッ...
家の寒さがヒートショックの原因に
入浴中の事故のリスクを高めます!
家の中の寒さが、入浴中の事故のリスクを高めます。
急激な温度変化が身体に与えるショック(ヒートショック)で起きる入浴中の事故は、やはり冬場に多く発生しています。
その死亡事故のうち、なんと9割が高齢者(65 歳以上)です。
トイレの事故も高齢者に多く、冬場の寒い浴室やトイレは危険と隣り合わせ。
十分に注意しなければなりません。
それでは、自宅を改修するときのポイントと改修方法の一例をご紹介しましょう。
改修のポイント
❶窓などの開口部は断熱性を高めることが大切です。暖冷房設備も適切に設置しましょう
❷部屋と廊下、トイレ、浴室などの温度差を減らしましょう
❸住まい全体の暖冷房ができるよう、間取りを工夫しましょう
改修方法の一例
○部屋と廊下、トイレ、浴室の窓などを(内窓や高断熱サッシ等により)断熱化する
○廊下、トイレ、浴室などにも暖冷房設備を設置する
○部屋の暖冷房が廊下、トイレ、浴室にも届くような間取りにする
○外壁、屋根、天井、床を断熱化する
○タイル張りの浴室はユニットバスに換える
改修すれば、こんな効果が期待できます!
⑴いつまでも健康で自立した生活ができます
⑵ヒートショックや熱中症などを予防します
⑶断熱性が高まると、光熱費が安くなります
出典:「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」➡ダウンロードはこちら