昨年の緊急事態宣言を機に、東京と静岡県・伊東市で二地域居住(デュアルライフ)を行うMさん。大自然に囲まれた伊東の暮らしぶりは、まさに絵に描いたようなリゾートライフです。今回はMさんが二地域居住へ踏み切った理由や実際の暮らしぶり、二地域居住のメリット・デメリットなどをご紹介します。
(トップ写真:河津トンネル横の遊歩道から眺める相模灘。美しいコバルトブルーが目を引く。今井浜海岸駅から「舟戸の番屋」という絶景露天風呂を経て、河津まで散歩する道のりにある風景)
■Profile
名前(ニックネーム):Mさん
性別:男性・40代
職業:会社員
※2021年3月取材
趣味を満喫できるエリアを二拠点目に
― 二地域居住を始めたきっかけを教えてください。
昨年の緊急事態宣言下でのテレワークです。ずっと自宅で過ごしているうちに、平日と土日の差がわからなくなってきました。これは外出してメリハリをつけないと…と思い、二地域居住に踏み切りました。
釣りが趣味で、コロナ禍以前から熱海から初島などによく行っていましたが、毎回釣り道具を持ち運ぶのは重くて大変。それなら、釣りに行きやすく、温泉があるエリアに拠点を構えようと思いました。
― 伊東を選ばれた理由は?
コロナ禍での価格変動前が起こる前に探していたのですが、熱海は物件価格が高かったので、近くの伊東にしました。伊東は、JR伊東線・伊豆急行線の始発駅なので伊豆周遊の拠点にピッタリです。その他、釣りの観点や、伊東には東京で一番買い物をしているスーパー(河津が本社)があることもプラス材料でした。
― 現在のライフスタイルについて教えてください。
当初は土日だけ伊東でしたが、すっかり伊東の暮らしが気に入って最近は土日プラス金曜・月曜という感じです。週4日はこちらで過ごしています。インターネット環境さえあれば仕事はできますし、支障はありません。
暮らしてわかった伊東の魅力、二地域居住のメリット・デメリット
― 伊東の好きなところを教えてください。
すぐに釣りに行けるし、冬や雨など釣りができないときでも近くの漁港で獲れた新鮮な魚が手に入るからいいですね。自分で捌いて楽しんでいます。伊東駅前で土日に行われる朝市では、新鮮な野菜が安く手に入るのもうれしいです。
この辺りは海だけでなく山も近いので、春には鶯の鳴き声が聞こえるんですよ。釣りが楽しめるのはもちろん、温泉もたくさんある。伊東をはじめ伊豆半島には多彩な魅力があって、その時々に合わせた楽しみ方ができるところが気に入っています。
― Mさんが思う二地域居住のメリット・デメリットについて教えていただけますか?
メリットはメリハリがつけられることです。物理的にも景色も全く違う場所にいますから、東京のみにいた時よりも気分転換できるようになりましたね。あと、住まいの美観を保てること。訪問の最終日には、掃除をする習慣をつけています。温泉大浴場があるので、部屋のお風呂は使っておらず、掃除をしなくて済みます。
デメリットは光熱費などの固定費が東京と二重でかかることです。加えて伊東の自宅はリゾートマンションなので管理費が高い。行き来する交通費も重なれば結構な額になります。
― 二地域居住によって人付き合いなどに変化はありましたか?
土日はこちらで過ごすことが多いので、東京の友人に土日に誘われても行けないことはあります。伊東には行きつけのお店はありますが、ご近所付き合いはしていないです。東京での生活を含め、コロナ感染対策には万全の対策をしていますが、東京と往来していると知ったら不安になる方もいるかもしれませんので…。
ワクチンが普及したら、近所で釣りをしている方と仲良くれなるかもしれませんね。
二地域居住を満喫するためのポイント
― 二地域居住で大切にしていることはありますか?
伊東の住まいには生活感が出るものは置かないようにしています。本棚など家具が増えてくると東京の暮らしと変わらなくなるので。東京の暮らしとメリハリがつくような居住空間になるよう心がけています。
最初はテレビも置いていなかったのですが、ないのも不便なのでテレビのチューナー機能があるパソコンを置きました。それ以外は家具・家電とも最低限に留めています。
― 二地域居住に向いている方はどういう方だと思いますか?
やっぱりテレワークができる人がいいと思います。もしテレワークでなくても、土日に通える人はいいと思います。
あとは料理が好きな人もいいかと。海・山の幸などその土地ならではのものを食べたい人は楽しいと思いますよ。美味しいものが東京よりも安く手に入りますし。
暮らす上では車の免許があったほうがいいかもしれませんね。駅近物件なら徒歩でも問題ないですが、どこも必ず駅近にあるとは限らないですし。
あとは坂が多いエリアもあるので、車で移動したほうが楽なところもあります。熱海や伊東などのエリアは坂が多いので、現地の状況を確認したほうがいいですね。
― 高齢者が二地域居住をする上で準備したほうがいいことはありますか?
二拠点目の住まいを将来的にどうするかは考えたほうがいいと思います。いわゆる出口戦略ですね。もし御子息がいて二拠点目の住まいを相続してほしいなら、元気なうちに遊びにきてもらったほうがいいと思います。
私のようにリゾートマンションだと管理費が高いので、事前に遊びにきてもらって良さを体験してもらっていないと、いざ相続の話になったら、管理費の高さだけで判断して手放すかもしれないので。そのあたりのことは考えたほうがいいと思います。
― 最後に、これから二地域居住をする方や検討している方に向けてメッセージをお願いします。
テレワークで巣ごもり生活を余儀なくされて、ストレスが溜まっている方に二地域居住はオススメです。どこか外出しなくても、自宅から見える海の眺望を見るだけで心癒されます。
中古で購入される場合は、売主のオーナーさんがリゾート目的で利用されていた物件を買うのがいいと思います。リゾート利用の場合、毎週どころか月1回も利用されていないことがあります。伊東の住まいは内見時からとてもきれいでした。以前のオーナーさんがリゾート利用ということもありますが、不動産関係の方で売却時に値引き交渉されるポイントを把握されていて、美観を保たれていたのかなとも思います。
花・海・温泉を楽しめる癒しの宝庫・伊東でスローライフを満喫
Mさんのお話からは伊東・伊豆を愛するお気持ちと二地域居住を心から楽しまれている様子が伝わってきました。伊東は「花と海といで湯(温泉)の街」として、海だけでなく、山や温泉など自然の恵みを堪能できる場所。四季折々を感じられる暮らしをされたい方は、ぜひ伊東市を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
二地域居住を検討されている方は、Mさんのお話を参考に自分に合う拠点・ライフスタイルを考えてみてくださいね。Mさん、この度は誠にありがとうございました。
●伊東市の魅力は、「伊東市YouTubeチャンネル」にて動画でご確認いただけます。
(取材・執筆/阿部 恭子)
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コロナ禍でのテレワーク普及によって、二地域を拠点に生活する「デュアラー」が増えています。
「おとなの住む旅」では、デュアラーの体験談をご紹介しています。他の体験談もご覧になりたい方は下記からご覧ください。