
終活の中でも悩ましく、また日本の社会問題になっているのが空き家です。高齢の両親がいる子世帯は、実家が空き家になるリスクについてどのように考えているのでしょうか。
相続・終活に関するプラットフォーム事業を展開する(株)ルリアンは、相続・終活に関する全国調査2025を実施し、40~69歳までの男女16,342人から回答を得ました。今回は空き家に関する調査結果をお伝えします。
シニア親の実家が空き家になる可能性について
はじめに、親名義の居宅がある14,059人に対し、今後その居宅をどのようにする予定なのかについて尋ねました。すると、回答者の54.4%は「現時点では売却や活用方法について検討していない」と答え、8.8%は「親が亡くなった時点で空き家になる予定」としています。
親名義の居宅が戸建てまたは集合住宅である場合に、「親が亡くなった時点で空き家になる予定」と回答する人の割合(以下、空き家リスク)が変化するかを調べてたところ、戸建てで10%、集合住宅で6.4%という結果になりました。戸建てのほうが割合が高く、10軒に1軒が空き家になる可能性があります。
居住パターンごとの空き家リスクについて
次に、親名義の戸建ての空き家リスクを地域別に分析しました。最も高い割合を示したのは「親が北関東、子が首都圏」に居住するケースで28%、次いで「親が近畿、子が首都圏」で26.6%、「親が東北、子が首都圏」で22.2%でした。このように、子が首都圏に居住している場合に空き家リスクが高まる傾向があると分かりました。
戸建てに住む親の生活状況と空き家リスクの関係を詳しく分析してみると、親が一人暮らしの場合の空き家リスクは23.2%でした。高齢者施設への入居によって居宅が残る場合も23.4%と、いずれも高い傾向が見られます。一方、親が二人で暮らしているケースでは12.7%でした。
空き家リスク高!? 注意が必要な居住パターン
今回の調査から、空き家に注意が必要な3つのケースが分かりました。1つでも該当する方は、注意が必要です。住まいの終活は日頃からの情報収集や準備が欠かせません。「家や土地をどのように相続するのか」「相続した後どのようにするべきなのか」など家や土地の今後を考え、できるところから少しずつ考えることをおすすめします。それに伴い、戸建てが広すぎると思うシニアは住み替えや子世帯との近居なども検討してみると良いでしょう。
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