コロナ禍ではデバイスを駆使してオンラインサービスやSNSを利用するデジタルシニアが増えました。以前よりもずっとシニア層に普及したデバイスはスマホと言えるでしょう。
(→「デバイス」とは?)
しかし、実際に使いこなしているシニアはどれくらいいるのでしょうか。女性誌販売部数 No.1(※1)の雑誌「ハルメク」の社内シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」は、スマホ利用に関する読者アンケート(55〜74歳女性が回答)を実施。その結果、ハルメク世代(50代以上の女性)の「スマホ生活の現在地」が明らかとなりました。
(※1)日本 ABC 協会発行社レポート 37.3 万部(2020 年 7 月~12 月)
→【シニア層のインターネット利用動向調査】YouTubeの急拡大が明らかに
シニア女性のスマホ利用のリアルとは?
まず、ハルメク読者のスマホ利用率について調べてみると、スマホ利用率は85%以上あることがわかりました。そして、LINEや文字入力利用率は60%以上、写真撮影も58%が利用ということが明らかに。こう見ると、すっかり使いこなしているように見えますが、実情はそうでもないようです。
スマホをとことん使いこなしているシニア女性は少数
別調査で自身のスマホ利用に関して「使いこなしている方だと思うか」「使いこなしたいという意欲は」をそれぞれ7段階でヒアリングし、レベルごとに5タイプにユーザーを分けしました。
すると、使いこなしている自信も、使いこなしたい意欲も真ん中レベルの「わかっているつもり派」が、前年と比べて37.6%から41.4%に増加していました。どちらも高い「とことん派」の 18.6%を大きく上回っています。
使用しているシニア女性は昨年と比べて明らかに増えていますが、自信を持っていたり、さらに使いこなしたいと高い意識があったりするシニア女性は全体から見ると少ないことがわかりました。
スマホは使えるけど「うまくできない」シニア女性
さらにハルメク編集部では、30人の読者に一週間、毎日スマホに関する悩みなどを書く“スマホ日記”をつけてもらうことに。すると、ハルメク世代の特徴は「基本的な操作は知っているけれども、うまくできていない人が多い」ということがわかりました。他にも「つい何回もボタンを押してしまう」、「メールの既読や削除の作業が大変」「メールの既読や削除の作業が大変」という声が。
また、セキュリティに対する懸念も判明。「迷惑メールをブロックしたいけれど、やり方がわからない」「SMS で『荷物を届けたが不在』と、怪しいお知らせが届いた」など、スマホに対して不安を抱いている人も多いようです。
しかしその一方で、スマホにマンネリを抱くベテラン派もいます。「いつもLINEとカメラぐらいしか使っていないので、もっと便利な使い方を知りたい」という声もありました。
スマホ操作が苦手なシニア女性には「ごまトレ」
このような結果を元に、2021年8月号(7月10日発売)では、毎年大人気の“スマホの使い方”について特集してます。ハルメク編集部ではハルメク世代の“スマホ問題”を大きく3つの悩みにまとめて、それぞれに沿ってスマホの使い方を解説。3つの悩みは下記になります。
・操作がうまくできない
・スマホ用語がよくわからない
・スマホの中がごちゃついている
なかでも興味深いのが「ごまトレ」です。スマホのタップがうまくできない方に提案しているトレーニングで、タップがうまくできない人は、力加減と命中率が悪い可能性があるとし、テーブルのごまを1粒、指の腹で拾い上げるような感覚で、と紹介。シニア女性に馴染みがあるものを使って紹介しているので、やりやすいですよね。
他にも、スマホを3 年以上使い続けて出てきた「スマホの中のごちゃつき」を解決する「スマホの片づけ術」や、年々巧妙になる「詐欺メール」などについても対処法を紹介しています。
このような特集があると安心しますよね。また、シニア層のスマホ利用を促す取り組みをしている地方自治体があるのもご存知ですか?
→【高齢者にスマホを無料貸与】渋谷区で65歳以上のシニアを対象に、情報格差を解消へ
こういった取り組みがさらに増えていくといいですね。
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