長年勤めた会社を早期退職し、タイと日本の二地域居住を計画している、 ハンチングさん。
この度、おとなの住む旅では、ハンチングさんにFIRE・二地域居住についてインタビューさせていただきました。
■FIREとは?
FIREとは「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字をとったもの。定年を待たずに、サラリーマンを早期に退職して、資産運用などを中心に生活していくライフプラン・概念のことです。アメリカでムーブメントとなったことをきっかけに、ヨーロッパそして世界へとブームが広がり、日本でも実践する人が増えています。
インタビューでは、経済的に独立した状態をつくる方法や、二地域居住をする上での心得など、実践的な内容までお話いただきました。
FIREに憧れている人はもちろん、海外で暮らしたいけれど日本にも滞在する必要がある人にとって、参考になる情報ばかりです。
ハンチングさんの国を越えたデュアラー生活へと進む様子を、インタビューを通じて感じてみてください。
■Profile
ニックネーム:ハンチングさん
年齢・性別:40代・男
仕事:電機メーカー
FIREし、二地域居住を決意するきっかけとは?
━━━FIRE・二地域居住を決意するきっかけを教えていただけますか?
2014年頃から、将来のタイ移住を検討し始めていました。
その時に、タイと日本の二地域居住の日常を発信されているブログを見つけたのがきっかけです。
56歳でサラリーマンをFIREされたブログ主のoininさんが発信する何気ない日常が、とても幸せに溢れていて。
「こんな生活があるのか!」と驚いたのと同時に、憧れを抱きました。
しかし、当時は予算的に私には難しいかなと感じてました。
二地域居住先としてタイを選んだ理由
━━━FIREし、二地域居住先として「タイ」を選択する理由とは何でしょうか?
旅で色々な国に行きましたが、タイほど居心地が良い国は他にありませんでした。
日本と違って、国全体がのんびりした空気に包まれていて、温暖な気候とあいまって心身ともにリラックスできる。
「旅を続けていたら、日本よりも居心地が良い国がある事に気づいた。近い将来、ここで暮らせたら幸せだろうなあ」と思いました。
それと、物価が日本よりかなり安く、治安も良く、一年中温暖な気候、花粉症に悩まされる事もない、加えて適度に日本と異なる文化を体験できる国。
ここまでの条件が揃っている国は、世界にそれほど多くありません。
そんな全ての条件を満たす日本人に向いている国、それがタイだと思います。
又、海外移住に際しビザを用意しなければならないのですが、タイには「タイランドエリート」という制度があります。
タイランドエリートとは、タイ政府観光庁がタイへ移住を希望する外国人に向けたサービスです。
タイランドエリートビザを利用する事で、VIP待遇で気持ち良くタイ移住を楽しむことができるのも、大きな決め手です。
FIRE・二地域居住前のライフスタイル
━━━現在のライフスタイルについて教えていただけますか?
今年の5月に会社を退職する予定ですが、今はサラリーマンをしてます。
仕事帰りにスポーツジムで汗を流したり、週末は趣味のスポーツ観戦や読書、ブログ執筆等を楽しんでます。
「ワクワク」を保ち続けるために、移住せず二地域居住するという選択
━━━タイへ完全移住ではなく、日本との二地域居住を検討する理由について教えていただけますか?
国内外どんな魅力的な都市に住んだとしても、長い事ずっと住んでいると閉塞感を感じます。
そんな淀んだ心を、二地域居住はリセットしてくれる。
日本からタイへ行けば、空港に着いた瞬間から「今回はどんな体験が待ってるかな」とワクワクします。
タイから日本へ行けば、「住み慣れた国の安心感」で癒される。
それが、心の中に「小さな幸せ」として積み重なっていく感じが好きです。
二地域居住のメリット・デメリット
━━━二地域居住のメリット・デメリットを教えていただけますか?
メリットは、何といっても日々の何気ない生活に活気が生まれるという事です。
タイ滞在中は「帰国したらお気に入りの食堂へ行こう」とか、逆に日本滞在中は「タイへ行ったらビーチでのんびり読書しよう」とか、思考が自然と前向きになり人生の幸福度が上がります。
それと、日本に拠点を残しておくことは、いざとなったらいつでも帰国できるわけで。
家を処分し、背水の陣で海外移住する人に比べれば、心のゆとり・安心感という意味で大きなメリットだと感じます。
デメリットは、金銭面。これに尽きると思います。
ただ私は、二地域居住の可能性を探る為、タイと日本の色々な都市を組み合わせ、一人暮らしで一ヶ月どれ位生活費がかかるか試算してます。
バンコク+那覇で14万円台、バンコク+大分県杵築市で10万円台、これ位で二地域居住を楽しむことが可能です。
これは、移動の航空券代・電車代も含めた全ての予算で、著しくQOLを下げる様な過剰な節約もしてません。
二地域居住は、決して富裕層の娯楽ではなく、誰でも目指せる新しいライフスタイルだと考えてます。
旅した中で印象的だった国は、タイと台湾
━━━これまで様々な国を旅してきた中で、印象的な国はありましたか?
海外旅行を始めた頃は、ありきたりですが観光地を巡ったりしていたのですが、途中から旅の目的が将来住みたい街探しへと、自然と変化していきました。
住みたい街の条件は、物価が日本より安く、治安も良く、一年中温暖な気候、花粉症に悩まされない、現地の人たちが親切で優しい等。
自分なりの基準で見てきた中で、タイと台湾がとても印象に残ってます。
日本とタイで二地域居住、医療面について
━━━二地域居住を検討する上で、医療面で心配はありますか?
タイの医療レベルは非常に高い事に加え、バンコクには日本語が通じる病院もあり、設備は日本並みかそれ以上に整ってます。
また、二地域居住の利点を生かして、日本滞在時に通院する事もできます。
タイ滞在時に病院へ行くことになったら、こちらも二地域居住の利点を生かして、クレジットカードに付帯する保険を活用する。
大概のクレジットカードには、日本出国後90日間保険が適用されます。
そのため、海外で病院にかかった費用を心配せずに済みます。
それでも心配な方は、民間の保険を契約する方法もありますので、あまり心配はしてません。
二地域居住を検討、仕事・プライベートの変化とは
━━━二地域居住を検討する上で、仕事・家族・友人関係に変化はありましたか?
退職時期まで少し時間があるので、職場に退職の意志をまだ伝えてません。
家族はブログ内でも触れてますが、私自身バツイチで今は独身です。
田舎に母が妹夫婦と暮らしてますが、これからFIRE二地域居住について話していき、私が旅費を出して家族をタイ旅行へ招待できればと考えてます。
友人は、新しい生き方を応援してくれてます。
そして、ブログやSNSで情報発信を続けることで、新たなコミュニティ・私と同じような価値観を持った新しい友人ができ始めてます。
好奇心まで歳を取らせる必要はない。想像力を働かせ、可能性を見出すことが大切
━━━自分らしく生きるために、大切なこととは何でしょうか?
たとえ自分が歳を取ったとしても、好奇心まで歳を取らせる必要はないという事です。
新しいライフスタイルを目にした時に「どうせ出来っこない。。」と思考を打ち切るのではなく、「どうやったら自分に可能だろう?」と創造力を働かせる。
最初は霧がかかって見えないかもしれないけれど、好奇心を失わなければ少しづつ霧が晴れて、ワクワクするような未来と出会えるかもしれません。
FIRE・二地域居住後、お金で困らないための工夫は「投資」
━━━将来(老後)を見据えて、実際に工夫していることはありますか?
老後お金で困る事が無いように、インデックス投資で投資信託の毎月積立をしています。
2006年から始めて、今年で15年目です。
そのお陰で、定年よりもだいぶ早く退職することができ、人生を楽しむ時間を得る事ができました。
そして、FIREでタイ移住・タイと日本の二地域居住という夢が近づいて来ました。
正しいお金の知識を身につけ、新しいライフスタイルを
━━━FIRE・二地域居住を検討している人へ向けて、メッセージはありますか?
普通のサラリーマンがFIREを手に入れるには、正しいお金の知識が必要不可欠です。
もしお金を理解すれば、人生は信じられないほど気楽なものになります。
大多数の人のようにお金を理解していなければ、人生は信じられないほど辛いものになります。
ぜひ、皆様には、気楽な人生を選んでほしい。
そして早期退職して、お金のためにヘトヘトになるまで働く縛りから自分を解放して、二地域居住という新しいワクワクするようなライフスタイルを一緒に楽しみましょう。
FIRE・二地域居住のリアルな様子を発信中
FIRE・二地域居住を目標に、さまざまな努力・工夫を重ねるハンチングさん。
インタビューの際、ひとつひとつの言葉に込められた想いを強く感じるとともに、夢に対して突き進む強い力が伝わってきました。
FIREを決意し、二地域居住という選択にたどり着くまでに、たくさんの辛いこと・大変なことがあったと思います。
だからこそ見えてきた道があり、実践する力をもって生きる姿に、パワーをもらいました。
ありがとうございました。
ハンチングさんは、FIRE・二地域居住のリアルな様子を、ブログ・SNSにて発信中です。
■ハンチングさんからメッセージ
ブログでは、私のような普通のサラリーマンが結婚から離婚、マイホーム購入から売却といった人生のどん底からどうやってFIREを達成したのか。そして、これから退職へ向かって行く中での心境の変化、退職後どうやってタイ移住を進めて行くのかブログで発信して行きます。ご笑覧頂ければ幸いです。
ぜひ、ハンチングさんのブログ・SNSを見て、長年勤めた会社を2021年5月に退職するまでの道のり・タイと日本の二地域居住を開始する姿を追ってみてください。
きっと、将来の選択肢が広がるきっかけになるはずです。
ブログ▶FIREでタイ移住
Twitter▶ハンチング@FIREタイ移住@huntingtakuma
取材・執筆/小窓まどか
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