今年6月末に刊行された単行本『死という最後の未来』。
Amazonでもランキングが上昇傾向で、話題になりつつある新刊本です。
著者はキリストの信仰を生きる曽野綾子さん(89歳)と、法華経を哲学とする石原慎太郎さん(88歳)。
まったく対極の死生観をもつお二人が、「老い」や「死」について赤裸々に語る対談集です。
死に向き合うことで見えてくる、人が生きる意味とは何でしょうか。
私たちにそう問いかけ、深く考えさせられます。
本書の見どころをご紹介しましょう。
対極の死生観をもつ二人、老いや死を赤裸々に語る
【シニアにおすすめの新刊本】
書名:死という最後の未来
著者:石原 慎太郎/曽野 綾子
発行日:2020年6月23日
価格等:1,500円(税別)、頁数246P
出版社:幻冬舎 公式サイトはこちら
❑本書の見どころ
石原さんと曽野さんは歳がひとつ違いで、家も近所にあり、昔からの友人。
だが、会う機会は多くはなかったそうです。
そんなお二人が老いや死、人生について語り合います。
「人は死んだらどうなるのだろうか」
「目に見えない何か、はある」
「コロナは単なる惨禍なのか、警告なのか」
「悲しみは人生を深くしてくれる」等々。
老境の二人にとっての孤独や絶望、悲しみ、そして希望とは何かを私たちに明かしてくれます。
「死んでも霊魂は不滅です」「いや、死の瞬間に魂はチリだ」
本書を読み進めると、お二人のこんなやり取りに目が留まりました。
曽野 私は霊魂というものはあって、不滅かなと思っています。
信じる人たちは「永遠の前の一瞬」という言い方をします。
この世に生きて、たくさんのことを考え、喜び、悲しんできたことが、死によって終わる…パタリとその働きをやめてしまうことはないと。
石原 そうですか。僕は息を引き取ったら、一瞬で魂もなくなると思いますけどね。瞬時にチリ芥になる。
対極にある死生観ー。皆さんは、どちらの考え方を支持されますか?
目 次
第1章 他人の死と自分の死
ー病はある日突然になるもの、書けなくなるなら死んだほうがいい、心と肉体のジレンマが本当につらいー
第2章 「死」をどう捉えるか
ー人は死んだらどうなるのか、お釈迦様は輪廻転生があるなどとは言っていない、霊魂は存在するのかー
第3章 「老い」に希望はあるのか
ー夫を自宅で看ようと決めた時、介護は家族だけで背負ってはいけない、「ありがとう」は感じのいい日本語ー
❑著者紹介
石原 慎太郎 (いしはら しんたろう)
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。1955年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文學界新人賞、翌年芥川賞を受賞。「化石の森」(芸術選奨文部大臣賞受賞)、「生還」(平林たい子文学賞受賞)など著書多数。
曽野 綾子 (その あやこ)
1931年東京都生まれ。作家。聖心女子大学卒業。1979年ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章、2003年に文化功労者、1995年から2005年まで日本財団会長を務めた。1972年にNGO活動「海外邦人宣教者活動援助後援会」を始め、2012年代表を退任。
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