女性漫才師の第一人者として活躍した内海 桂子(うつみ けいこ)さんが先月22日、97歳でお亡くなりになりました。
心よりお悔やみ申し上げます。
内海師匠は最高齢の現役芸人という大御所ながら、10年前に始めた自身のTwitter(ツイッター)を毎日のように更新し、率直でチャーミングな言葉を発信〈フォロワーが約50万人〉。
シニアから若者まで世代を超えて、多くのファンに愛されていました。
そんな内海さんが今年4月7日、緊急事態宣言の出た夜につぶやいたツイートには、芸歴81年を力強く生きてきた方の重みが感じられました。
長年のフォロワーの一人(筆者)として、独断でご披露いたします。
緊急事態宣言の夜「生き抜くにはしっかりするしかない!」
内海さんは4月7日夜、こんな文章をツイートしました。
今夜のお月さんはまん丸で雲一つない夜空にくっきり浮かんでいる。お月さんだけ見ていれば悠久の昔から面々と受け継いできた人間の歴史を痛感する。が家に入るとすぐに経験した事のない非常事態が宣言された先の見えない現実の困難さに心が萎える。しかしきちっと生き抜けるにはしっかりするしかない。
— 内海桂子 (@utumikeiko) April 7, 2020
落ち込んでもシャンと立て直す師匠に励まされ‥
そんな内海さんのフォロワーからは、哀悼の言葉が続々と寄せられています。
「緊急事態宣言の日のツイートは、どんなに落ち込んでもシャンと立て直す、桂子師匠らしいお言葉だったと思います」
「ほぼ連日の長文日記が4月からぱったり途絶えたので心配していました。今朝の訃報で、なんと1月からとてもお苦しかったことを知りました。時々あげられる月の話題が温かくて大好きでした」
「みずみずしくて、機知に富んだつぶやきがもう読めないと思うと、とても残念です」
「内海さんの言葉はたくさんの人の励みになり、力になったことでしょう。最期まで自分の頭で考え続ける人生の素晴らしさ。尊敬していました」
来週出版される著書で、私たちへ最後の言葉
いまツイッターなどSNSでは、内海さんが98歳の誕生日(9月12日)に向けて本の制作を進めていたことが初めて分かり、話題になっています。(→「SNS(エスエヌエス)」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
というのも、㈱飛鳥新社が8月末、内海さんの最後のメッセージを収録した書籍「人生は七転び八起き」を9月10日に出版すると発表したからです。
同社の担当編集者が、こんなコメントを発信しています。
「98歳のお誕生日に向けて、1年前から本書の制作を進めていました。
桂子師匠のお言葉は経験に裏打ちされた強さと深さがあり、慈愛に満ち溢れていました。
師匠が遺した生きる希望や勇気が湧いてくる言葉の数々を皆様に知っていただけたらと思います」
「死に急がないで!楽しむことを覚えましょうよ」
同社が発表した内海師匠の最後のメッセージ(著書の本文抜粋)をご紹介しましょう。
特に生きづらさを感じている人、停滞している人、悩めるすべての人たちへ届いてほしいと生前、話していたそうです。
~新刊の著書「人生は七転び八起き」より~
実は、私も自殺を考えたことがあります。
母親に連れられて出戻った実家で、祖父の後妻に毎日毎日いじめられて死にたいと思う日々を過ごしました。でも、「母ちゃんが悲しむだろう」と思って、なんとか踏みとどまりました。(中略)若い人の早死には本当にもったいない。口をきいてくれないなんて言ってないで、もっと喋りましょう。メールだけじゃ静かすぎます。当たり前だけど、ほっといても人間いつかは必ず死にます。だからこそ、死ぬ気で精いっぱい生きましょうよ。
人生、ときにはつらいこともありますが、生きていれば楽しいことや嬉しいこともたくさんあります。
つらいことも楽しいことも本人の心持ち次第。どうせだったら楽しむことを覚えましょうよ。
【内海 桂子さんのプロフィール】
大正11 年生まれの漫才師。千葉県銚子で生まれ、その後、浅草で育つ。9歳から働き始め、16 歳で漫才の初舞台を踏む。昭和25 年、内海好江とコンビ「内海桂子・好江」を結成。芸術祭奨励賞、芸術選奨文部大臣賞など多くの賞を獲得する。紫綬褒章、勲四等宝冠章を受章。主な著書に『悩むヒマありゃ、動きなさいよ!』などがある。日常を綴ったTwitterも話題に。弟子にナイツがいる。
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