(公社)全国有料老人ホーム協会がによる「シルバー川柳」をご存知ですか? 設立20周年記念事業のひとつとして2001年に公募を開始し、今年で20回目を迎えました。高齢社会・高齢者の日々の生活に関するものを綴るシルバー川柳からは、その年の高齢者が高い関心を持っている物事を知ることができます。
そこで今回は、シルバー川柳から見る2020年の高齢者の関心事を見てみましょう。
【第20回「シルバー川柳」概要】
・公募期間:2020年3月1日~6月14日
・応募数:10,663作品
・応募者年齢:平均年齢:68.6歳 最年長:106歳(女性) 最年少:11歳(女子)
・応募者男女比:男性・61.4% 女性・38.1% 性別不明・0.5%
シルバー川柳で見る「2020年高齢者の関心事」
入選したのは20作品。その中でも、高齢者の暮らしの中の“あるある話”や高く関心を持っている物事がわかる作品を抜粋し、カテゴリ別に川柳を分けてみました。
高齢者と認知症・ボケに関わる川柳
・何をしにここに来たかと考える 安田三貴也(千葉県、79歳、男性、パート)
・入らない母の入歯で騒ぐ父 あおちゃん(東京都、47歳、女性、無職)
・幼な児に戻りて可愛い認知症 井上敬子(東京都、106歳、女性)
高齢者とは切っても切れない認知症やボケ。年を重ねてもなお、記憶はしっかり持ち続けていたい物ですね。
コロナウィルス感染拡大防止に伴い、外出自粛が広がっています。それに伴い、自主的に休業をする通所介護事業者が相次ぎ、デイサービスに通えずに在宅介護を余儀なくされる高齢者が出ている状況です。そのような現状下においても高齢者が自宅で運動ができればと思い、高齢者ができる運動プログラムについてご紹介しまし...
高齢者と「オンライン化」に関わる川柳
・脳トレを毎日してます探し物 大沢紀恵(新潟県、80歳、女性、主婦)
・じいちゃんの敵は段差とパスワード 岩﨑達也(福岡県、53歳、男性、会社員)
・グーグルの検索履歴に水戸黄門 合田幌生(広島県、14歳、男性、中学生)
コロナ禍で一気に加速したオンラインサービス。2020年はデジタルシニアを増加させる年となったといえます。
スマホやパソコンなどデジタル機器を使いこなすシニアたち 「デジタルシニア」とは、スマートフォン(スマホ)やパソコン等のデジタル機器を使いこなし、インターネットを通じたコミュニケーション能力に秀でている高齢者のことを言います。 総務省の「平成30年 通信利用動向調査」を見てみると、シニア世...
高齢者と「新型コロナ」に関わる川柳
入選作品の中でも多かったのが、新型コロナに関わるワードです。どの作品もうまく笑いに変えていて、思わずクスッと笑ってしまいます。
高齢者とマスク
・ばあさんの手づくりマスク息できず 星野透(埼玉県、82歳、男性、無職)
・なぜ吠えるマスク姿の飼い主に エル・ママ(熊本県、50歳、女性、介護関連)
高齢者と給付金
・妻が言うひとまず預かる給付金 相野正(大阪府、70歳、男性、無職)
高齢者とPCR検査
・耳鳴りもピーシーアールと音がする 加藤義秋(千葉県、73歳、男性、無職)
高齢者とテレワーク
・テレワークやってみたいが俺無職 小畑和裕(東京都、73歳、男性、団体役員)
高齢者とソーシャルディスタンス
・円満の秘訣ソーシャルディスタンス 荒木貞一(北海道、77歳、男性、無職)
・我家では濃厚接触とんとなし 有藤幹男(高知県、70歳、男性、パート)
高齢者と外出自粛要請
・要請をされる前から日々休み 中川潔(福井県、55歳、男性、会社員)
シルバー川柳から見えたのは新型コロナのインパクト
新型コロナに関わる言葉が多く出ていました。新型コロナには一日でも早く収束してほしいですが、こうやって川柳を見てみると、高齢者の間でオンライン化が一気に広まったのがわかります。2020年は高齢者にとって“オンライン化イヤー”と言っても過言ではないですね。
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