気がつけば、街の風景もすっかり変わってしまった。
久しぶりにアルバムを開くと
あの頃の時代と記憶が鮮やかによみがえってくる。
気がつけば、街の風景もすっかり変わってしまった。 久しぶりにアルバムを開くと あの頃の時代と記憶が鮮やかによみがえってくる。 過去11回にわたってお届けしてきた人気シリーズ「記憶のなかの風景」を、今一度わかりやすくまとめてみました。ぜひご覧いただき郷愁に浸ってもらえたらと思います。...
昭和31年の千川通り五差路、のどかな雨上がりのひと時
「この五差路は当時から、学生さんたちで賑やかでしたね」。
千川通りの江古田駅南口交差点。昭和31年、ある日の雨上がりの風景だ。
左の道を進むと、武蔵大学のキャンパスがある。
右手の江古田駅(西武池袋線)へ向かう道(現・江古田銀座)には、学生さんらしき後ろ姿も見える。
「見えますか?曲がり角の酒屋(写真中央)の前にあの頃、石碑が建っていたの!大正時代、千川通りに桜を植えたのを記念して建てられた石碑だったんです」。
その老舗の酒屋さんも、今はラーメン店に変わった。
江古田銀座入り口の金物屋も、今はベトナム料理店だ。
そんな中、三菱銀行(現・三菱UFJ)江古田支店だけは、63年を経てもなお五差路に店舗を構えていた。
昭和31年の江古田ゆうゆうロード、歴史のある道だった!
「今ではしゃれたカラー舗装のこの通りも、長い歴史があるんです。知る人は少なくなりましたけどね」。
江古田駅(西武池袋線)と新桜台駅(西武有楽町線)を結ぶ「江古田ゆうゆうロード〈栄町本通り商店街〉」。
写真は商店街の真ん中辺り、五差路の63年前の光景だ(前方が江古田駅と千川通り方面)。
氷が張りついた路面と笹竹の飾りつけを見ると、季節は冬の頃であろう。
北へ向かうと埼玉に通じていたこの道は、かつて「埼玉道」とも呼ばれていた。
現在でも、この五差路の角には庚申塔が祀られ、近所の人たちのお供え物も絶えることがない(カラー写真の左下)。
道端の庚申塔が、ここが古くから往来の多い道であったことを教えてくれるかのようである。
〈江古田の庚申塔はこの場所で800年も前に建立されたという。ゆうゆうロードでは「庚申の日ビッグサービスデー」を設け、健康への感謝の気持ちを伝えている〉
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氷の張った路面を通勤客が行きかう「江古田駅南口」
古びた駅舎に鮮やかに映るあの時代
写真はすべて「練馬区」提供
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