地域の医療現場でかかりつけ医として貢献した医師たちを顕彰する『赤ひげ大賞』。
12回目の今年は3月1日に都内で表彰式が行われ、全国から選ばれた5名の医師が受賞しました。
大賞に輝いた5名の先生たちは、いずれも60代~80代の現役バリバリのシニア世代。
今回はその活躍ぶりをご紹介します。
「赤ひげ大賞」に迫るTV番組、3月17日放映!
この「赤ひげ大賞」は、47都道府県医師会の会員で組織する(公社)日本医師会が主催。
各県の医師会が推薦した候補者の中から19名を「赤ひげ功労賞」に選定し、そのうち5名を「赤ひげ大賞」に決定しました。
その名称の由来は、山本周五郎の時代小説「赤ひげ診療譚」。
江戸時代中期の貧民救済施設・小石川養生所で活躍した医師を主人公にした小説です。
そんな赤ひげ大賞の受賞者を紹介するBSフジのテレビ番組が、来週3月17日午後5時から放映されます。
日ごろの診療の様子などに密着した特別番組で、早くも注目を集めています。
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地域の医療に心血注ぐ全国の“コトー先生”たち
へき地医療をテーマとしたドラマ「Dr.コトー診療所」を思い出させる、今回の受賞者の先生たちはどんな半生を歩んできたのでしょうか。
【「赤ひげ大賞」の先生たちの半生】
❑清水 三郎 医師(84歳)
〈千葉県、清水三郎医院 院長〉
昭和56年の開業以来、千葉県内の医師数が最も少ない地域で医療に従事。
地域の課題だった二次救急医療体制の空白日解消に取り組み、破綻の危機に瀕していた夜間救急医療体制の拡充に尽力してきた。
平成21年からは、小学校入学前の小児の保護者を対象にした「子どもの救急講習会」を開始。
夜間に子どもの具合が悪くなった時の対処方法や適正受診の必要性などについての理解を広げ、夜間救急診療所で働く医療従事者の負担軽減にもつながっている。
❑安福 嘉則医師(76歳)
〈岐阜県、関市国民健康保険洞戸診療所 医師〉
医師の定着しなかった山間地域の国保診療所に腰を据えるべく居を構え、以来41年間にわたり地域医療に心血を注いできた。
隣接市町村への往診、訪問看護体制の整備や在宅医療、リハビリテーションの強化、学校保健にも取り組む。
患者と医師・医療スタッフなどによるカラオケ大会の他、地域の伝統食文化を掘り起こした生活習慣病に対する食生活改善も展開。
平成19年に自身が患った胃腫瘍も乗り越えなお一層、地域住民とのふれあいを大切にしている。
❑亀井 克典 医師(66歳)
〈愛知県、かわな病院在宅ケアセンター長〉
医師不足地域の公的病院での勤務を経て出身地の名古屋に戻り、在宅医療を中心に地域医療・介護連携による都市型地域医療の構築に尽力。
多職種ICT連携ツールを普及させ、かかりつけ医相互支援による在宅看取りサポートシステムを実現させた。
平成31年には総合的な在宅ケア提供の拠点として在宅ケアセンターを設立。
現在、訪問診療の患者数は800名、在宅看取りは年間250名を超える。
在宅ホスピスにも取り組み、地域全体の緩和ケアの質の向上にも貢献している。
❑武田 以知郎 医師(64歳)
〈奈良県、明日香村国民健康保険診療所 管理者〉
自治医科大学を卒業後、へき地など一貫して奈良県内の地域医療に従事。
初期研修医や総合診療専門医の地域研修など、後進の育成にも積極的に携わる。
平成22年に同県明日香村に着任してからは村民のかかりつけ医として尽力、「イチロー先生」と呼ばれるなど村民の信頼も厚い。
在宅医療、多職種連携、医学教育、ACPなど地域医療をめぐる課題解決にも取り組み、令和5年には、同村の人々の暮らしを守る姿がドキュメンタリー映画にもなった。
❑北野 明子 医師(72歳)
〈福岡県、きたの小児科医院 院長〉
九州大学を卒業し、小児科講座に入局後、福岡市立こども病院・感染症センターで研鑽。
南アフリカ共和国への留学を経て、昭和61年に開業し、一貫して小児医療に従事してきた。
自身も3人の幼い子どもを育てながら、保育園児の生活習慣病予防健診や予防接種の啓発活動にも取り組み、平成12年には地域初の病児保育室を開設。
令和3年には病児保育室併設の企業主導型保育所「ピッコロ保育園」を設立するなど、多職種連携による子育て支援を実践している。
この記事と画像の出典:公益社団法人日本医師会 公式サイト
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