少子高齢化と切り離せないのが空き家問題。2013年の総務省調査によれば、全国の空き家数は約820万戸でしたが、2033年頃には2,150万戸になると予想されています。これは全住宅の3戸に1戸が空き家という結果に。深刻化する空き家問題に対して、2017年には住宅セーフティーネット法が改正されました。これは高齢者・低所得者・子育て世帯などを対象に民間の空き家・空き室を貸し住宅として活用するもので、家賃の一部を国が補助するという施策です。
空室を都道府県に登録し活用へ 高齢者等に貸出す新制度始まる 高齢者や低所得者、子育て世帯などに貸す住宅として、増える一方の民間の空き家・空き室を活用し、国が家賃を一部補助するという新たな施策がこの10月末よりスタートします。 この制度は住宅セーフティーネット法という法律の改正で創設された...
民間企業でもさまざまな取り組みが行われていますが、今回ご紹介するのは多拠点居住用(マルチハビテーション)に空き家を活用するというもの。コロナ禍で住まいに対する価値観が変わり、定住にこだわらなくなった人も増えている昨今の時流を汲み取って生まれた新たな活用法です。
山梨に誕生!空き家を活用した多拠点居住物件
住まいのサブスクリプションサービス「ADDress」を運営する(株)アドレスは山梨県が認定する空き家活用認定事業者としての1号物件を2022年3月20日に同上野原市でオープンしました。
こちらの物件は築300年以上の伝統的な古民家(屋号:「任家(にんや))で、家の中央にある大きな欅の大黒柱と土間の欅の一枚板が特長とのこと。もとは養蚕農家の母家239.3平米・長屋門57.9平米の物件を、ADDressでの多拠点居住とシェアハウス用、コワーキングスペース用にフルリノベーションして生まれ変わりました。
総工費は約2,000万円。内閣府の令和3年度「地方創生テレワーク交付金」と山梨県の「やまなし創生官民連携空き家活用事業」および「山梨県官民連携空き家活用促進事業」の補助金を活用したと言います。
空き家活用は空き家問題だけでなく、地方創生にもつながります。地方創生の第一歩として昨年から地方自治体がワーケーションを企画していますが、今後はこのような空き家を活用したワーケーションプランも出てくるかもしれませんね。
▼広がりゆくワーケーションプラン▼
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多拠点居住・二地域居住は若い人のライフスタイルではない!
「ADDress」を利用するのは若い人が多そうと思う方もいるかと思いますが、そんなことはありません。以前当サイトで取材した50代のまこさんは「ADDress」を活用して日本国内を巡っています。
→海外生活を経て「終の住処」を探すまこさんの暮らしぶりを読む
多拠点居住のように完全に定住をなくすことは怖い人や、自分の状況に応じて拠点を変えたい人には二地域居住が人気です。シニアには多拠点居住よりも二地域居住のほうが始めやすいかもしれません。実際に、二地域居住をしているシニアも増えているようです。もはや二地域居住は幅広い年代の方ができるライフスタイルになりつつあります。
コロナ禍は苦しいことが多かったように感じますが、自分の理想とする住まい方を探しやすくなったと考えれば、全部が辛いことではなかったと言えますね。
▼多拠点居住・二地域居住に関する記事▼
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老若男女問わずどんどん多様化している住まい。これまで「おとなの住む旅」でも二地域居住(デュアルライフ)やマルチハビテーション(多拠点居住)をご紹介してきました。これらの暮らしぶりと同じく近年注目を浴びているのがノマドです。若者のライフスタイルと考えられますが、高齢者の間でも今後ますます浸透してい...