テレワークの普及で「定住しなくてはいけない」という概念が薄れてきています。いまでは脱・定住型のアドレスホッパーと呼ばれる人もチラホラ。アドレスホッパーはフリーランスに多いスタイルなので、認知されているのは若年層と偏りがあります。それに対して、幅広い年代に知られてきているのが二地域居住やマルチハビテーション。少しずつですが、二地域居住を始めるアクティブシニアもいるようです。
(→「アドレスホッパー」とは?)
とはいえ、二地域居住やマルチハビテーションは実際にどのように思われているのでしょうか。
コロナ禍でのテレワーク普及によって、“二地域を拠点に生活”というライフスタイルを実践する『デュアラー』が増えています。 このページでは、『デュアラー』や『二地域居住』について詳しく解説し、実践者の体験談を紹介。 また、ライフスタイルに合わせ、暮らしてみたい街で〝トライアルステイ(お試...
10代からアクティブシニアまで10,140名に聞いた!二地域居住に関するアンケート調査
マイボイスコム(株)は、2021年9月1日~5日に「二地域居住・複数拠点生活」に関するインターネット調査を実施しました。複数拠点生活に対する興味やしたいと思っている理由、実践者の移動時間などが明らかとなりました。
最初に、主な住まいとは別に生活拠点があるかについて聞いてみると、全体の約9%でした。その目的・理由は(複数回答)、「単身赴任・転勤など」が1.9%、「親や祖父母などの介護や世話・見守り、サポートが必要」が1.8%、「気分を変えたい」が1.1%という結果に。
二地域居住・複数拠点生活実施者の実態
二地域居住・複数拠点生活実践者に別拠点に通う頻度を聞くと、「週1回以上」と回答したのは22.2%でした。これは複数拠点生活をしている人の5割強にのぼります。
気になる別拠点への移動時間ですが、「30分未満」「1~2時間未満」「2~3時間未満」が実践者の各2割弱。北海道居住者や通う頻度が月1回未満の層では、「5時間以上」の比率が高くなっています。
つまり、二地域居住・複数拠点生活実践者は頻度は週1回以上・移動時間は30分未満〜3時間未満が多いようです。
二地域居住・複数拠点生活、実際どう思う?
複数拠点生活の興味有無を聞くと、興味がある人(「興味がある」「やや興味がある」の合算)は全体の3割弱でした。内訳を見ると、世帯年収が高い層で興味がある人は高くなっています。対して、興味がない人(「興味はない」「あまり興味はない」の合算)は全体の5割強に。世帯年収だけでなく雇用形態(会社員orフリーランス)や働き方(テレワークの可否)も影響していると考えられます。
今後機会があれば複数拠点生活をしたいと思うか聞いてみると、したいと思う(「したいと思う」「ややしたいと思う」の合算)は約26%で、こちらも世帯年収が高い層で高くなっています。したいと思わない人は(「したいと思わない」「あまりしたいと思わない」の合算)は5割強という結果に。複数拠点生活の興味有無とほぼ同じ結果となりました。
二地域居住・複数拠点生活をしたい人・したくない人の声
二地域居住・複数拠点生活をしたい人としたくない人は、それぞれどのように思っているのでしょうか。実際の声を見てみると…
【したいと思う理由】
・夫と2人で、ワーケーションにちかい形で、犬が飼える古民家の別荘。自然に近い場所でテレワークしたら気持ち良さそうだから。(女性27歳)
・家族と離れて気持ちを休められる場所、家族のための世話や家事に縛られず、自分の時間が持てる場所が欲しい。別の拠点よりは一人暮らしが望ましい。(女性54歳)
・平日は会社の近くに住むことによって通勤時間の短縮で自分の時間が増やせそう。(男性47歳)
上記から、気分転換や自分の時間を楽しみたい気持ちがあることがわかります。
対して、したいと思わない理由はというと…
【したいと思わない理由】
・2つも住まいを持つ財力もないし、今の住まいのランクアップする方が現実的。(男性59歳)
・住む場所が複数あるということは、複数の住宅の手入れ・管理をしなくてはならず、とても面倒だと思うので、複数拠点での生活はしたいとは思いません。(女性36歳)
・もし経済的に余裕があっても旅館やホテルなどの宿泊旅行のほうが良いと思うので。(男性66歳)
経済負担だけでなく管理の煩わしさ、別宅よりも宿泊施設を楽しみたいという声が上がりました。
二地域居住・複数拠点生活はしたいともしたくないとも思わない人の声
ちなみに「どちらともいえない」と回答した人の意見も聞いてみました。
【どちらとも思わない理由】
・自分は主な住まいに居たい。他の家族が別の拠点でリモートワークなどをし、そこへたまに合流するような形が理想。(女性52歳)
・楽しそうだけど、お金や手間もかかりそう。また、動物と暮らすのは難しそう。(女性43歳)
自分で行うことで生まれる手間が懸念事項のようです。
二地域居住をしたいならリアルな声&対策を知るべし!
二地域居住やマルチハビテーションについて興味がある人は、まずは実施者の声を聞くことが必須です。どのような経緯で始めたのか、実際のライフスタイルの様子や苦労などを知ることが必須です。「楽しそうでいいな」と思われがちですがそれだけではできませんし、反対に思っている以上にクリアできちゃう場合があるのも事実。メリット・デメリットを把握して自分に合うようにアレンジできるのかを確認しましょう。
→【ここでしか読めない】二地域居住実践者のリアルな声はこちら
イベントで情報をゲットしよう!
昨今、地方自治体・民間企業ともに二地域居住や移住に関するイベント開催しているところが増えています。直近だと、10月17日(日)に東京国際フォーラムにて国内最大級の移住マッチングイベント「第17回ふるさと回帰フェア2021」が行われます。移住に伴う住まい・仕事・子育てなど相談でき、先輩移住者の経験談や役立つ生きた情報を得られるセミナーも開催するとのこと。興味がある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。
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