コロナ禍でもオンライン診療の普及が足踏みしていると国が懸念を示すなか、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(J:COM、東京・千代田区)は今週31日、家庭のテレビを使ったオンライン診療サービスを7月1日から始めると発表しました。
スマホなどデジタル機器に不慣れな高齢者の利用を見込んでいる、と同社は話しています。
身体の不自由な方だけでなく、コロナ禍で外出(通院)を控えたいシニア層には朗報と言えそうです。
WEBカメラによる診察、ジェイコムが開始
オンライン診療にケーブルテレビを使うのは日本で初めてです。
J:COM(ジェイコム)が始める遠隔医療サービスでは、家庭のテレビ画面上で医療機関の診察予約から問診、WEBカメラを通した診察までできるようになります。
テレビを利用することで、自宅から安心して診療が受けられるでしょう。
同社では7月から東京都杉並区と練馬区、板橋区、埼玉県和光市、千葉県木更津市など9地域でサービスを開始。
今年度内には、同社のすべての営業エリア(約1,400万世帯)に広げる計画です。
オンライン診療の普及の後押しに?!
新型コロナの感染拡大が続く一方で、オンライン診療は進んでいません。
厚生労働省が今週発表した今年4月末の対応医療機関数は15.2%と、昨年末から0.2ポイント程度の微増にとどまりました。
特に高齢世代は通院患者の大半を占めているにもかかわらず、スマートフォンの操作への不安などからオンライン診療の普及が遅れているのが実情です。
しかし、J:COMが60歳以上の3353名に行った調査(今年5月)によると、オンライン診療は「利用したことはないが、今後利用したい」との回答が5割以上。
シニア世代のニーズの高さが伺える結果でした。
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操作方法など訪問や電話でサポート
同社ではオンライン診療を手始めに、今後はオンラインによる服薬指導や健康相談サービスなどの提供をめざし、誰もが安心して簡単に医療が受けられるようにしたい、と話しています。
【J:COMのオンライン診療サービスとは】
普段から使っている家庭のテレビに専用のチューナー機器を接続し、㈱MICIN(マイシン)のオンライン診療サービスを経由して診療が受けられる。
テレビの画面上で医療機関の診察予約から問診、WEBカメラを通して診察などが行える。
機器の設置や初期設定、操作方法等については、スタッフが訪問または電話で継続的にサポートするという。
【サービスの概要】
※医療費、調剤費、処方せん配送料などは別途必要
【申込みから利用までの流れ】
本記事と画像の出典:㈱ジュピターテレコム 公式サイト
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