老若男女問わず必須アイテムとなった携帯電話ですが、今ではすっかりスマートフォンが主流となっています。シニアでもスマホに切り替える人が増えてきているようです(参考:過去記事「シニアもスマホを駆使してる!?シニアのスマホ事情Vol.1」)。そんな中、スマホを活用したシニア向けサービスが誕生しました。
大手通信事業者のソフトバンク株式会社は、スマートフォン専用アプリケーション「オレンジセーフティーネット」(以下「OSN」)を開発し、厚生労働省が取り組む、広域での認知症高齢者等見守り事業に協力すると2017年7月に発表。
一体どのようなサービスなのでしょうか? 気になるサービス概要についてご紹介します。
徘徊する認知症高齢者の捜索活動に役立つアプリ
この事業は、全国キャラバン・メイト連絡協議会※1と連携した、スマートフォンを活用した全国横断的な認知高齢者の見守り支援サービス。全国キャラバン・メイト連絡協議会は、累計900万人以上の「認知症サポーター」を要請した実績がある団体です。
現在日本では、認知症もしくはそれが疑われる方の行方不明者が全国で年間約15,000名余りとされ、他の自治体などへの長距離に及ぶ徘徊も増えているとのこと。各自治体においては、認知高齢者の見守り支援施策の充実・解決策となるシステム導入が喫緊の課題となっています。自治体を越えた広域連携での見守り支援活動のネットワーク化が、今後重要となってくるでしょう。
このサービスは、認知症サポーターや認知高齢者などの見守り・徘徊SOSネットワーク事業の協力者がOSNをインストールし、認知症高齢者を見守り支援します。
OSNの特徴は下記の通りです。
1.自治体を越えた広域連携での見守りを実現
行方不明者を捜すための情報が、一定範囲内にいる協力者に対して通知される。
長期間にわたっても発見されない場合は、他自治体の協力者にも通知可能に。
2.位置情報やチャット機能を活用した効果的な情報共有が可能
ONSに搭載されたチャット機能を使い、グループトークで協力者間の情報共有ができる。
また、地図上で自分以外の協力者の位置や対象者の目撃位置を確認したり、対象者と思われる方を撮影した画像の共有など、効率的に確認活動が可能。
3.個人情報の保護に配慮した高セキュリティーレベルで開発
OSNはセキュリティー性の高いアプリケーション開発プラットフォームを活用し、個人情報の取り扱いに配慮した運用方法を盛り込んで開発されました。よって対象者を捜す際には、捜すことに賛同した協力者だけが閲覧可能に。
また、見つかった場合は登録情報は直ちに削除されるので、端末に個人情報が残らないので安心です。
今後、OSNなどのスマートフォンを活用したシニア向けサービスは増えていくと言えるでしょう。ITとシニアの関係は深まっていくのではないでしょうか。