コロナ禍でオンラインツールは私たちの生活になくてはならないものになりました。仕事ではテレワークが一気に普及したことでインターネット環境さえあればどこでも働けるようになり、自宅で仕事をすることはもう珍しくはありません。その結果、住まいに対する考え方が変わった人も多いようです。
テレワーク中の住まいに関するアンケート調査
株式会社フリースタイルは、1都3県在住のテレワーク中で持ち家在住の方を対象に、テレワーク中の住まいに関する調査を実施。この調査によって、住まい対する考えの変化が浮き彫りになりました。
現在の住まいのメリット・デメリット
最初に「現在の住まいのメリットについて教えてください(複数回答可)」と質問したところ、最も多買ったのが『近隣にスーパーや商業施設がある(53.6%)』、次いで『交通の便が良い(52.1%)』『駅まで徒歩10分以内(51.9%)』『会社までの通勤時間が短い(23.2%)』『病院や医療機関が充実している(18.5%)』と続きました。商業施設へのアクセスの良さや交通の便の良さは住まい選びに欠かせないことが明白になっています。
対して、「現在の住まいのデメリットについて教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『通勤時間が長い(32.7%)』と回答した方が最も多く、『部屋が狭い(28.7%)』『ローンの返済額が高い(26.7%)』『建物が古い(20.6%)』『空気が汚い(4.9%)』と続きました。都心エリアは土地相場が高いため、住まい選びの際に妥協をしたポイントもあれば、住んでからデメリットと感じることが多いようです。
テレワークできるなら都心エリアに住む必要はない?
ここまで見ると、商業施設や交通アクセスの良さから都心エリアの暮らしを続けたいように見えますが、次の質問でその考えも変わっていることがわかりました。
「テレワークが続く中で、都心に住んでいる必要性を感じますか?」と質問したところ、6割以上の方が『必要性を感じない(21.3%)』『さほど必要性を感じない(39.8%)』と回答。便利な都心エリアでの生活に対する必要性を感じない方5割以上という結果に。その理由は以下の通りです。
・密集しているのは嫌なので(30代/会社員/埼玉県)
・客先への訪問は自宅から直行直帰、会社の東京までの通勤がなくなり、東京への移動が減ったから(40代/会社員/埼玉県)
・自宅で仕事ができるから(50代/会社員/千葉県)
・月に何度かの出社であれば自然環境の良い田舎に暮らして余暇時間を充実させたほうが良い(50代/会社員/神奈川県)
テレワークができる環境が整備されているなら、出社頻度が少ない方からするとわざわざ人口密度の高い都会に住まなくても十分な生活ができるという声でした。むしろ、都会から離れたほうが密にならず、私生活も充実するのではと考えている方もいるようです。
テレワークで移住を検討する人は増えている
このような住まいに対する考え方の変化によって、移住を考え始めている人もいるようです。
「現在住んでいる家について、売却または移住を検討していますか?」と質問したところ、『売却または移住に少し興味がある(12.7%)』『売却または移住を検討している(8.3%)』『既に売却または移住の準備を進めている(3.5%)』という結果になりました。
現時点ですぐに売却や移住を具体的には検討していない方が多いようですが、売却や移住に興味がある方も存在しているのがわかります。準備を進めている方や既に実行に移した方は約4分の1もいることがわかりました。
テレワークだから移住したいものの、売却に不安
しかし、現在の住まいに対する売却の不安もあるようです。「売却または移住をする際に不安なことは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、最も多かったのが『希望する価格で売却できるか(52.2%)』、次いで『新しい居住先が見つかるかどうか(28.9%)』『短期間で買い手が決まるか(28.0%)』『必要書類の煩雑さ(26.2%)』となりました。移住したいけれど売却を考えると不安が尽きることはなさそうです。
完全な移住が怖いなら二地域居住
こういった売却の不安などで新しい住まいに踏み切れない方にオススメなのが二地域居住やマルチハビテーションです。二地域居住は2拠点を往来する暮らしのことで、例えば平日は都心エリアで過ごし、休日は自然に囲まれたエリアでのんびり過ごすというスタイル。マルチハビテーションは複数の住まいを行き来するライフスタイルのことです。(⇒「マルチハビテーション」について詳しく知る)
どちらも一箇所で定住せず、そのときの自分の状態や気持ちに合わせて住まいを選ぶというもの。その時々の自分にベストな住まいを選べるので、ストレスが軽減されたり気持ちに余裕が出たりと楽しむことができますよ。
新型コロナをきっかけに、住まいも多様化しています。当サイトのテーマは「旅をするような暮らし」。まさに二地域居住やマルチハビテーションのことを指しています。これからもこのテーマに沿った、住まい・暮らしの多様性を発信していきます。
▼二地域居住についての記事はこちら▼
フラワーアレンジメント講師 前田佐智子さん(60代) さいたま市と八ヶ岳山麓でされている前田さんの二地域居住は、無理なく続けられる理想的なものでした。その秘訣とはいったい何でしょう。 →「二地域居住」とは?|おとなの住む旅 用語解説 前田さんの二地域居住について 主人はフルタイム...
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