東京都福祉保健局が作成した冊子「ペットと暮らすシニア世代の方へ」が都内の公民館等で引っ張りだこのようです。
特に話題になっているのが、「ペットのために遺言書を残しておきませんか」という提案をシニアの方々へ打ち出したこと。
飼い主が先立ったときに、「ペットを誰に託すか」などを書面に残しておくというのです。
その注目ポイントをご紹介しましょう。
飼い主の〝万が一〟に備えませんか
東京都はこんな提案をしています。
『突然の事故や病気などで、ペットとの暮らしが急転してしまうかもしれません。
万がーペットよリ先に亡くなった場合などに備えて、ペットのことを十分に考えておきましょう』
1.ペットのために「遺言」を残す
ペットのために遺言書を残しておくこともできます。
弁護士や行政書士などに相談して、ペットを誰に託すか、ペットのためにどのように財産を残すかなどを整理して、法的に有効な遺言書を作っておきませんか。
また、ペットを他の人に譲リ、飼育を託したいと思っている場合は譲リたい相手から承諾を得ておくことも大切です。
2.ペットのために「信託」を活用する
ペットのために信託会社へお金を預けておき、いざとなったら、そのお金をペットのために使うことができる仕組みがあリます。
飼い主はあらかじめ、ペットの世話を誰にしてもらうか決めておきます。
預けたお金は、ペットのために使われます。
※遺言や信託については弁護士、司法書士、行政書士、保険会社に相談してみてください。
区市町村の法律相談窓口などを利用するのもよいでしょう。
「ペットの世話が大変になってきました」
都の福祉保健局にはシニア世代の飼い主から、こんな悩みが寄せられているそうです。
「足腰が弱って、ペットの散歩が大変になってきました」
「視力や握力が低下して、ペットの爪切りが難しいです」
そこで、福祉保健局ではこんな「チェックリスト」を作成し、飼い主にはまず現状を把握することを促しています。
☐ペットのお散歩やお世話など、以前と変わらずにできている。
☐ペットの不妊去勢手術や予防接種などの基本的な措置を行っている。
☐ペットの平均寿命を考慮に入れても、最後まで飼い続けることができそうだ。
☐ペットの高齢期に備え、介護や治療にかかる費用を確保している。
☐自分に万が一のことがあったときのための、ペットの預け先等を確保している。
☐ペットを長期間誰かに預けられるように適切なしつけ等ができている。
飼えなくなったときのために今から準備を!
そして、シニアの方々へこう呼びかけています。
『すべてに☑が入りましたか?
1つでも☑が入らなかった場合は、自分自身のために、ペットのために、元気なときから対策をしましょう!
「最後まで飼う」というだけでなく、「飼えなくなったときのために準備をする」ことも大切だと思います』
出典:「ペットと暮らすシニア世代の方へ」(東京都福祉保健局)
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