第1回「仕事はしたい?したくない?」
4ヵ国の高齢者2800人との面談(国際比較調査)で分かったことは?
「日本と外国では、高齢者の生活意識はどのくらい違うんだろう」。
そんな問題意識を持って、国が長年にわたり調査しています。
内閣府が1980年から5年ごとに実施している「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(全8回)です。
最近(2015年度)では日本とアメリカ、ドイツ、スウェーデンの4ヵ国を対象とし、60歳以上の男女2800人(施設入所者除く)に個別面談でさまざまな問題について聴いています。
当サイト(編集部)ではその中から興味深いものをピックアップしましたので、連載でレポートいたします。
日本のシニアが仕事するのは「収入が欲しいから!」
A.仕事はしたい?したくない?
「仕事したい」は日本が45%で最多!
「今後、収入を伴う仕事はしたいですか」と尋ねました。
すべての国で高齢者の過半数が「したくない(辞めたい)」と答えています。
その一方、「したい(続けたい)」とする人の割合は日本が44.9%と最も多かったです。
アメリカ39.4%、スウェーデン36.6%、ドイツ22.7%を大きく上回りました。
日本のシニアは「体に良いから働きたい!」
B.仕事をしたい理由は?
日米は「収入が欲しい」、ドイツとスウェーデンは「仕事が面白いから」
仕事をしたい(続けたい)理由を尋ねました。
日本とアメリカは「収入が欲しいから」、ドイツとスウェーデンは「仕事そのものが面白い、自分の活力になるから」が多数でした。
仕事に求めるものの違いがはっきりと表れています。
また、日本では「働くのは体に良い、老化を防ぐから」(健康のため)の比率(24.8%)が、他の3ヵ国(アメリカ14.9%、ドイツ14.8%、スウェーデン16.9%)より高いところも興味深いですね。
【編集部より一言】日本のシニアへもっと多くの仕事の機会を
この4ヵ国すべてで高齢者の半数以上が「仕事はしたくない」と答えていますが、日本は最多の45%が「仕事をしたい」と回答しました。
日本では高齢者に向けて、もっと多くの就業の機会を提供する必要があると思います。
しかし日本の高齢者は、一方では〝働かざるを得ない事情〟があることも分かりました。
そのあたりは、次回ご紹介しましょう。
<「【4ヵ国の高齢者調査】日本と外国ではシニアの生活意識はどう違う?Vol.2」へつづく>