介護保険の上手な使い方とは
編集部レポート
シニア住宅のプロデューサーとして第一人者の佐藤 順一郎氏。〝要介護になってしまったら‥〟との不安がある方からよく、こんな相談がくるそうです。
「どんな介護サービスがありますか。費用はどのくらい掛かる?」
「介護になったら自宅で暮らせないのでは?」
これらを理解し上手に介護保険が使えれば、「こんなはずじゃ‥」とあとあと苦労することも無くなります。今からしっかり準備しましょう!
介護保険の話を2回の連載でお届けします(本稿は第2回)。
佐藤順一郎氏プロフィール
一般社団法人CCRC ウェルネス研究センター代表理事
一般社団法人66Love協会CCRC責任者
シニアライフコーチ CCRCプロデューサー
老後の暮らし方について相談を受け悩みに耳を傾け続けながら、不安や悩みを解消するためのシニア住宅のプロデュースを手掛ける。
介護保険の上手な使い方とは 編集部レポート シニア住宅のプロデューサーとして第一人者の佐藤 順一郎氏。〝要介護になってしまったら…〟との不安がある方からよく、こんな相談がくるそうです。 「どんな介護サービスがありますか。費用はどのくらい掛かる?」 「介護になったら自宅で暮らせないのでは?...
地域で異なる介護サービスと利用料
―「こんなはずじゃなかった」とよく後悔するケースを教えてください。
第一に、利用できる介護サービスの内容と費用は、市区町村によって違いがあることに注意が必要です。
前回(Vol.1)は「訪問」「通い」「泊り」という3つの簡単な分類をお話ししましたが、もう一つ大事な「介護サービス費」の分類があります。
サービスを使った分だけ利用料が増える「積み上げ式」と、どれだけサービスを利用しても負担額が確定している「定額式」という2つの分類があることはご存じでしたか?
住むまちで介護の利用料が7万も違う?!
―利用者にとってはどちらが得なのでしょうか。
同じ介護状態の人でも、ある地域では限度額(1割負担)の3万円程度で収まるのに対し、ある地域では限度額を超えてしまい、10万円以上も負担しなければならない、というケース(7万円以上の差)もあります。
また、ショートステイ(短期入所生活介護)を使いたかったけれど、住み替え先の自治体にはなかった(サービスを提供できる事業者がいない)、という事例も珍しくありません。
切羽詰まった住み替えは失敗しやすい
―ちょっと怖い話ですね。
車で40分ほどで行けるところに日本一のデイサービスがあったとしても、その市町村に住んでいなければ利用できないのが、介護保険の怖いところです。(→「デイサービス」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
どこに住んでいるのかで、受けられる介護の質が自動的に決まってしまうというわけです。
―どうすればいいのでしょう。
介護が必要になったとき、切羽詰まった状況で慌てて住み替えると、こうした失敗が起きやすくなります。
そのため、いま自分が住んでいる地域にはどんな介護サービスがあるのか? これから住み替える先にはどんなサービスがあるのか?といった点を事前によく調べておくことが、何よりも大切だと言えるでしょう。