プロスキーヤー・冒険家 三浦 雄一郎氏(87)の「歩き続ける力」とは
東京都がこの10月に開催した、高齢者の就業を支援するイベント「シニアしごとEXPO2019」。会場内でひときわ注目を集めたのが、プロスキーヤー・冒険家の三浦 雄一郎氏による講演会「歩き続ける力(演題)」(東京セカンドキャリア塾 オープンセミナー)でした。(→「セカンドキャリア」とは? | おとなの住む旅 用語解説)
世界的な冒険家の三浦さんですが、決して超人ではありません。
大きな病を乗り越え、目標に向かってコツコツと歩き続けてきたのです。
「目標があれば、人は何歳からでも変われる」。
この言葉を信条とする努力の人・三浦さんの生きざまからは、誰もが勇気をもらえることでしょう。
(本稿は連載第2回目)
〈プロフィール〉
1932年10月、青森県生まれ。プロスキーヤー、冒険家。70年のエベレスト8000mからの世界最高地点スキー滑走をはじめ、85年に世界七大陸最高峰のスキー滑降を達成。2003年に70歳で、08年に75歳で、13年に80歳(世界最年長ギネス記録)と3回エベレスト登頂に成功。クラーク記念国際高等学校校長
(ミウラドルフィンズのサイトへはこちらから)
目標に向かう気持ち、人間の生命力高める
(Vol.1より続く)
医者から余命3年と告げられた65歳のとき、三浦さんは「どうせ死ぬならもう一度、死ぬ気でトレーニングしよう」と腹を決め、「70歳でエベレスト登頂を果たす」という目標を設定しました。
「攻める健康法」という三浦さんのトレーニングは、誰にでもできるものではありませんね。
「目標があったからできたんです。普通のトレーニングでは、とてもじゃないけどエベレストには登れない。目標に向かう気持ちが人間の生命力を高める、と僕は考えています」
リハビリと休息入れた登山法〝年寄りの半日仕事〟
トレーニングを始めてから5年後の03年、三浦さんは70歳の世界最高齢でエベレスト登頂に成功。その後も75歳、80歳(最高齢記録を自ら更新)と3度のエベレスト登頂を果たしました。
しかし、いずれも苦難の連続だったのです。2度目は登頂1年前に心臓不整脈の手術、3度目は全治6か月の骨折を経て挑戦しました。
「僕は目標を持てたから生き方が変わった。病気やケガというマイナスからも這い上がることができたんです」
そんな中、三浦さんは独自の登山法を編み出します。
次の目標は南米かアフリカ大陸の最高峰
今年1月、南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961m)に挑戦したが、6000m地点でドクターストップとなり、断念しました。
御年87歳、まだまだ現役の真っただ中にいる三浦さんです。
<終わり>