通信教育で広がる自分の可能性【後編】~シニア世代のリカレント教育事情 Vol.4

当記事の前編『通信教育で広がる自分の可能性【前編】~シニア世代のリカレント教育事情 Vol.3』はこちらから

昨年11月の「人生100年時代構想会議」で安倍首相が “リカレント教育(生涯教育)”の拡充を宣言したことを機に、各大学がリカレント教育に注力しています。なかでも創価大学は、リカレント教育の“要”とも言える通信教育に長年取り組んでおり、今年4月には以前から要望の強かった文学部人間学科の通信教育課程を新たに開設。また、近年シニア世代の学生が増加しています。前回に引き続き、同校のリカレント教育の取り組みと魅力について通信教育部長の花見 常幸氏にお話を伺いました。

手厚いフォローとバックアップ体制
教育者を多く輩出、独自に「教職指導講師」制度を設置

本学は「人間教育の最高学府たれ」との建学の理念に基づいて、1971年に開学した大学ですが、創立者である池田大作先生の「教育の門戸はすべての人々に平等に開かれねばならない」との教育理念から、通信教育課程についても、開学と同時の開設を目指していました。実際には、制度との関係で1976年に開設されたのですが、以来、卒業生は1万9千名を越え、弁護士3名をはじめとして、大学教授、公認会計士、税理士、教員、日本語教師など、実に様々な分野で活躍しています。

こうしたことから、私共の通信教育課程では、リカレント教育に特化した教育を行なってきたわけではありません。ただ、リカレント教育の大きな柱になるのは資格の取得ですので、その観点で言うと、教員の養成には大きな力を入れています。教育学部の通信教育課程が開設されたのは1982年ですが、開設以来、教員採用試験の合格者は総計3,314名(2018年8月末現在)になります。この17年間、毎年100名以上の合格者を出しており、200名を超えた年もあります。本学ならではの制度として挙げられるのが「教職指導講師」の制度です。全国にいらっしゃる校長経験をお持ちのベテランの先生方に、通教生の指導や激励をお願いしています。

また、資格という点では、社会教育主事任用資格を取得するコースをこの4年間で190名の方が修了していますし、さらに、正式の資格ということではありませんが、日本語教員の養成コースも充実しており、同じくこの4年間で279名の方がこのコースを修了しています。特に日本語教員を目指す通教生の皆さんは社会貢献の意識が強く、コース修了後に海外で活躍している人も数多くいます。

スクーリングには宿泊施設や奨学金の提供、書く力を育む課外講義

スクーリング(面接授業)は、本学のキャンパスだけでなく、全国主要13都市で開催しています。また、スクーリング参加の時間的な負担を軽減するために、すべての科目について、事前に自宅でオンラインのメディア授業を受講した上でスクーリング(面接授業)を受講する方式をとっていますし、地方から参加する学生には、学生寮を宿泊施設として提供し、受講料の一部を奨学金というかたちで支援もしています(100名限定)。より学びやすくするために、今年度の入学生から、インターネット上でレポート提出や各種申し込みができるICT環境を整備しました。

学習に円滑な形で取り組めるよう、通信教育部の専任教員が各地域での新入生ガイダンスで学習指導を行うほか、電話で学習サポートをする「アカデミックアドバイザー」制度を設けています。とくに学習サポートとして学生の人気の高いものが「レポート作成講義」(無料)です。通教生は卒業までに1,200字~2,000字のレポートを90通~100通、書きますが、そのための導入講義です。2013年から始めた課外講義で、年9回、全国35会場で実施しており、開講以来、今夏のスクーリングまでで9,800名の受講実績があります。

通信制大学である放送大学の來生学長も「書く力をどう身に着けさせるかが今後の課題」だといわれていますが、自分の考えを正確に文章にすることが通信教育課程ではとくに重要だと考えられることから、とくに力を入れている取り組みです。

学びを通して出会えるネットワーク「光友会」

高齢者には3つの不安があるといわれています。経済面、健康、そして心の充実の問題です。最後の心の充実について考えてみますと、定年退職を迎えた後、何に取り組むかということだと思います。とくに男性はリタイヤして誰からも頼りにされないと辛いものです。だからこそ、第2の人生を充実させるうえで、学ぶということが本当に重要だと考えられます。学ぶことで可能性が広がり、学びの成果を何らかの形で発表することもできます。そして、何より学友という、新たな仲間ができることがうれしいことです。本学の通信教育の特徴の一つは、都道府県ごとに「光友会」という学生組織があり、勉強会や定例会などを通じた励ましのネットワークが広がっていることです。通信教育での学びを通して、多くの方が新しい自分を発見していただき、より大きな心の充実を感じていただければと願っています。

『ライフワークは“学び”~シニア世代のリカレント教育事情 Vol.1』はこちらから
『通信教育で自分を満たす~シニア世代のリカレント教育事情 Vol.2』はこちらから

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