ペットを愛するシニアの皆さん!人生の最後に備え、将来もペットを幸せにできる次のこと、書いておきませんか

高齢者の皆さんは犬や猫と暮らしているとリラックス効果(副交感神経の活性化)が得られ、身体と心の両面で健康に良いことが実証されています。実際にシニア世代のペット愛好家は少なくありません。

そんな皆さんにおすすめなのが、ペットを愛する人たちから熱く支持されているペット情報専門WEBメディア『GORON(ゴロン)』です。

今回は、GORON編集部の吉川 奈美紀(きっかわ なみき)氏が執筆したコラム記事「ペットと私のエンディングノート」をご紹介します。

ペットと私のエンディングノート

エンディングノートは、人生の最後の時期に備えて、自分や家族のための大切な情報をまとめた文書です。
大切なペットについて、エンディングノートを作成することを考えている方もいらっしゃるかと思います。
どんなことをどんなふうに書き伝えたらいいか?ご紹介をしていきます。

エンディングノートに書き残しておきたいこと

エンディングノートは、ペットとの絆を大切にし、ペットが健康で幸せな生活を送るための情報を整理する重要な手段です。また、突然の緊急事態に備えて、ペットに対する最善のケアを確保するためにも役立ちます。

1.ペットの基本情報

名前
種類(犬、猫、鳥など)
生年月日
性別
特徴や好み

2.健康情報

最近の獣医の診察結果
予防接種や健康診断の履歴
アレルギーや特定の医療上の注意事項

3.食事と健康習慣

好物や嫌いな食べ物
食事のスケジュール
特別なダイエットや制限

4.お気に入りの場所や遊び

散歩が好きな場所
お気に入りのおもちゃや遊び方

5.愛される方法

ペットが好む愛情表現(撫でる、遊ぶなど)
安心感を与える方法

6.最後のお別れに関する希望

家で過ごすこと
獣医の診療所での処置
埋葬または火葬の希望

7.ペットの写真と思い出

ペットの写真やビデオ
特別な瞬間や思い出のエピソード

8.遺産や財産

ペットに関連する財産や遺産の管理者の指定
予備の餌やおもちゃの処分に関する指示

9.ペットケアの責任者の情報

緊急時にケアを担当する人の連絡先と情報

これらのことをできる限り書き残していきましょう。

また、大切なペットが暮らしていくために必要な費用として、ペットに遺産を残したい・使えるようにしたいと考える方もいらっしゃると思います。
次は「ペット遺贈」と「ペット信託」についてお話していきます。

世話する人や費用などを決めておく「ペット遺贈」とは

ペット遺贈は、ペットが飼い主の死後も適切なケアを受けるための重要な手続きであり、きちんと計画することが大切です。
ペット遺贈について、いくつかの重要なポイントを知っておきましょう。

1.遺言書に記載しましょう

ペット遺贈は、飼い主の遺言書に明確に記載することが大切です。
遺言書には、ペットの名前、種類、特定のケアの要件、およびペットの将来の世話を引き受ける責任者(遺言執行者)の名前や連絡先などを記載しましょう。

2.信頼性のあるペットケアを指定します

遺言書で指定するペットの新しい飼い主やケアをお願いする方は、信頼性があり、ペットとの相性が良い人物であることが大切です。
親しい友人や家族、動物愛護団体、ペットの飼育に精通した信頼できる人々が候補として考え、相談をしておきましょう。

3.費用のことも考えておきましょう

ペットの遺贈計画には、将来のケアにかかる費用の確保も含まれます。
これには、ペットの食事、医療費、トリミングなどの費用も含まれます。
飼い主は、ペットのための信託基金を設定するなどして、これらの費用をカバーする方法を考えることが重要です。

4.記載内容を定期的に見直し更新していきましょう

遺言書や関連する文書は、飼い主が健在のうちに定期的に見直し、必要に応じて更新する必要があります。
また、ペットの責任者や信託基金の管理者についての情報も最新のものに更新しておきましょう。

5.法的な助言を受け作成をすすめていきましょう

ペットの遺贈計画は、法的に有効である必要があります。
弁護士や法的な専門家に相談して、地域の法律や規制に適合した形で計画を進めることが大切です。

ペットのために資産や資金を管理する「ペット信託」

ペット信託は、飼い主が亡くなった後もペットのケアや維持を確保するための法的な手段です。
一般的には、信託と呼ばれる法的な概念をもとに特定の目的(ペットのケア)のために資産や資金を管理する方法です。
ペット信託に関連する基本的な情報をご紹介します。

1.信託の設定

ペット信託は、飼い主が生前に信託を設定し、信託文書においてペットの名前、ケアの要件、信託の管理者、信託資産の使用方法などが明確に記載されます。
これにより、ペットが安心して生活できるようにケアが提供されます。

2.信託の管理者

信託の管理者は、飼い主が信頼できる友人や家族を指定することが一般的です。
ペット信託を適切に管理し、ペットのケアを行っていきます。
信託の管理者は、ペットの世話をするだけでなく、信託資産を効果的に管理し、必要な支出を行います。

3.信託資産

飼い主は、信託資産として、特定の金額の資金、不動産、または他の財産を指定します。
これにより、信託がペットのケアに必要な費用を賄うことができます。
そして、資産は信託の目的にのみ使用されます。

4.ペットのケアの指定

信託文書には、ペットの健康管理、食事、居住場所、必要な医療ケアなど、具体的なケアに関する指示が含まれます。
これにより、ペットが飼い主の希望に基づいて適切な環境で生活できるようになります。

5.信託の有効期間

信託の有効期間は、通常ペットが生存している期間となります。
ペットが亡くなった場合、信託は終了し、残った資産は他の信託受益者に戻されるか、飼い主が指定した方法で分配されます。

ペット信託は、ペット愛好家や飼い主がペットの未来を確実に保護するための有力な手段の一つです。
信託は、地域の法律や規制に適合していることが大切です。
法的な専門家や弁護士の協力を得て作成していきましょう。

ペット信託は専門家に相談することが大切

ペット信託は飼い主が亡くなった際にペットのケアを確保する重要な手段であるため、信頼性のある専門家に相談することが大切です。

1.弁護士(遺言書・信託の専門家)

弁護士は法的なプロであり、ペット信託を含む遺言書や信託に関するアドバイスや文書作成を行います。
信託の法的な構造や地域の法律に詳しい弁護士に相談することで、ペット信託が有効で適切な形で作成されます。

2.相続・遺言の専門家

相続や遺言に関する専門家も、ペット信託の作成に関して知識があります。
飼い主が他の財産や遺産についても配慮する場合、相続の専門家が総合的なアドバイスをしてくれます。

3.動物愛護団体

地域によっては、動物愛護団体や動物シェルターがペット信託に関する情報を提供することがあります。
これらの組織は、飼い主が亡くなったペットに対する世話を引き受けることができるかどうかについて助言をしてくれるでしょう。

4.会計士

資産の管理や税務に関する専門家である会計士も、ペット信託に関する財政的な側面についてアドバイスをしていただけます。
信託が効果的に運用され、財政的な側面が考慮されるようにするために、会計士の協力が有益です。

5.動物医療専門家

ペット信託にはペットの健康管理に関する側面も含まれます。
動物医療専門家や獣医師が、ペットの特定の健康上のニーズや医療に関するアドバイスを提供することが重要です。

信頼できる人や機関をペットの後見人へ

ペット後見は、ペットの将来に関する不安を和らげ、飼い主の希望に基づいてペットが最良のケアを受けることを確保するための効果的な手段です。
ペット後見を検討する際には、地元の法律や規制に従い、法的な専門家と協力することが重要です。

1.ペット後見契約

ペット後見を設定する際には、ペット後見契約を作成します。
この契約には、ペットの名前、種類、詳細な特徴、飼い主の情報、ペットケアの責任者(後見人)の情報を明確に記載します。

2.後見人の指定

飼い主は、ペット後見契約でペットの後見を引き受ける信頼できる個人または機関を指定します。
後見人は、ペットのケアや医療の意思決定、飼い主が設定した条件に基づいてその責任を負うことになります。

3.ペットのケアに関する指示

飼い主は、ペット後見契約でペットの日常的なケア、食事、医療に関する具体的な指示を残すことができます。
ペットが好む食べ物、健康状態の歴史、獣医について伝えるようにします。

4.経済的な配慮

飼い主が亡くなった場合、ペットのケアに必要な費用をまかなう方法も考慮されます。
これには信託基金の設定や飼い主が指定した金銭的サポートの確保などを考え設定していきます。

5.法的な手続き

ペット後見契約は法的な文書であり、適切な法的手続きを経る必要があります。
地域によっては公証人の協力が必要な場合があります。

6.定期的な更新

飼い主はペット後見契約を定期的に見直し、変更があれば更新することが大切です。
変更があった場合には、後見人や関係者にその変更を通知することも必要です。

万が一、事故などでペットを残してしまうことも考え、準備をしておくことを考える機会にしてみてください。

❑執筆者/吉川 奈美紀(きっかわ なみき)
ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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