シニア世代の生涯学習に打ってつけの、脳科学者・中野信子さんの最新刊『脳の闇』が今月リリースされました。
高齢期は感情が高ぶり抑制しづらくなるとされるだけに、「迷わない人は信用できない」などと説く本書の脳科学の知見は、心の安定をもたらしてくれることでしょう。
脳科学の知見で高齢期の心の安定を
新潮社が2月1日に発売した『脳の闇』は、早くも新書部門で上位にランクインするなど反響を呼んでいますが、特に販売する側の書店スタッフからの評判も上々。
書店に掲げられた推薦文には例えば、こう書かれています。
「著者が自分のことに絡め、正直すぎるほど正直に言いたいことが述べられている」
「私たち素人にとてもわかりやすく説明してくれる脳と体の入門書」
では、本書の見どころについて紹介します。
迷うことこそ、脳の高度で美しい機能
■『脳の闇』見どころ
「迷わない人は、信用できない」
著者の中野さんはそう断言します。
ブレない人、他人の意見に左右されない人というのは得てして称賛されがちですが、社会的存在である人間は、他人の言葉を聞きながら何かを選択せざるを得ない生きものです。
迷うことこそが、ヒト脳が本来もっている高度で美しい機能だというのです。
中野さんは、脳科学にもとづいてヒト脳の仕組みと働きを説明しながら、承認欲求と不安、行き過ぎた正義と他者へのバッシング、ポジティブ思考の落とし穴などを指摘します。
例えば、人はあいまいで不安な状態を嫌います。
そのため、自らを正義とすることで、他人を糾弾して安心を得たがるのです。
それらは、私たちが無意識のうちに抱えこんでしまう深い闇だといいます。
そして、中野さんは自分自身の人生経験と脳科学の知見をもとに、“ヒトの脳に備わる深い闇”について解き明かしてくれます。
いつも迷ったり、戸惑ったり、怒ったり、落ち込んだりを繰り返しながら生きている私たち。
中野さんから真実を聞けば、きっと心が軽くなるのではないでしょうか。
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「不健康自慢がウザいわけ」とは?
版元の新潮社では、本書の真髄を表す言葉として、次のタイトルを紹介しています(目次より抜粋)。
❑ヒトに特異的な欲望と快楽
❑好意と「あわよくば」のあいだ
❑「わからない」を嫌う脳
❑糾弾は自省よりたやすい
❑誰しもが陥る正義中毒
❑不健康自慢がウザいわけ
❑健康を崇め奉る風潮
❑ナルシシストと自己肯定感
❑音楽を聴けば頭が良くなる、は本当か
❑人は真実など欲していない
❑女性の寂しさの肌感覚
⇒【シニアにおすすめの本】『死という最後の未来』石原慎太郎&曽野綾子著
【著者紹介】中野 信子(なかの のぶこ)
1975(昭和50)年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士。
東京大学工学部応用化学科卒。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。
現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。
『不倫』『毒親』など著書多数。
【書籍データ】
⑴書名:「脳の闇」
⑵著者:中野信子
⑶発売:2023年2月1日
⑷定価:946円(税込)
この記事と画像の出典:㈱新潮社 公式サイト
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