編集部レポート
高齢者住まい法の改正で2011年に創設された「サービス付き高齢者向け住宅」(略称・サ高住)がここ数年、進化を遂げています。
サ高住の全国の供給戸数は2019年9月に累計で24万7千戸となり、制度発足から8年間、一貫して右肩上がりで拡大してきました。
但し、かねてより問題点も指摘されていました。
長寿社会で求められる「元気な高齢期の住まい」
次々と建設されるサ高住は、その大半(約78%)が居室面積25㎡未満の狭い単身者用で、要介護者向けでした。
つまり、市場が偏っていることを疑問視する声も少なくなかったのです。
その背景には、これまでサ高住の事業に進出した事業者の中で、住宅・不動産関係は少数派。
多く(約84%)が介護・医療系の事業者だったという経緯があります。
このため、長寿社会で必要な「元気な高齢期の住まい」など、消費者の幅広いニーズには応えられていませんでした。
住宅メーカーの「自立型」「居室40㎡以上」が新市場を切り開く
ところが、ここ数年は様相が変わってきています。
住宅メーカーがサ高住の市場に参入し、建築受注に力を入れるようになってきたからです。
特に積水ハウスなどの大手メーカーは、居室面積で40㎡台以上という広々とした住戸を企画しています。
対象とする主な入居者層は、自宅と変わらない生活を望む「自立した元気な高齢者」「要介護度の低い高齢者」です。
いま「自立型の高齢者向け賃貸住宅」という、新たな市場を切り開く住宅メーカーに注目したいと思います。
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