空室を都道府県に登録し活用へ 高齢者等に貸出す新制度始まる
高齢者や低所得者、子育て世帯などに貸す住宅として、増える一方の民間の空き家・空き室を活用し、国が家賃を一部補助するという新たな施策がこの10月末よりスタートします。
この制度は住宅セーフティーネット法という法律の改正で創設されたもの。全国で深刻化する空き家問題と、高齢者等への入居拒否の問題を一石二鳥で解決しようという狙いです。
新制度の柱は、高齢者などの入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を新たに設け、その登録された物件の情報を広くユーザーに提供するというもの。
この登録制度の仕組みは、まず空き家・空き室の所有者が都道府県に届け出ます。都道府県ではその物件が居住面積や耐震性など一定の基準を満たしているのかを審査のうえ、データベースに登録。入居希望者は都道府県に申請するとともに、データベースから条件に合う物件を探し、所有者(貸主)と賃貸借契約を結ぶという流れです。
国家予算で家賃と改修費を補助
空室を登録する貸主と高齢者等の借主に対するインセンティブとして、国は今年度予算で次のような支援策を打ち出しました。
〇登録する住宅の耐震化やバリアフリー化の改修工事費用として、最大200万円まで助成する(低利の融資もある)。
〇地域の実情に応じ、最大4万円までの家賃補助と、最大6万円までの家賃債務保証料を補助する。
国は2020年度までの3年半で、17万5千戸の空室の登録を目指しています。
2017年8月