老舗の和菓子屋「辰屋かぎや」
東武東上線の大山駅南口を出てすぐ、区内最大のアーケード付き商店街「ハッピーロード大山」をのんびり歩くこと10分、「辰屋かぎや」の看板が見えてきます。
「かぎや」の歴史は古く、約300年前に開業した老舗です。明治27年の大火で一旦廃業した「かぎや」でしたが、「江戸時代から続いていた、伝統の味を復活させたい!」という情熱を持った、昭和辰年生まれの現在のご主人が「辰屋かぎや」という屋号で再開したのだそうです。
看板商品は、「冷やしうす塩豆大福」と「冷やしわらび大福」で、テレビや雑誌など、各種メディアにも取り上げられ、話題になっています。舌の肥えた、多くの著名人をもうならせたという、絶品和菓子です。
また、最近ではInstagramなどのSNS(→「SNS(エスエヌエス)」とは)がきっかけで「遠く関西や東北からも若い人が買いに来てくれるんですよ」と、ご主人が穏やかな笑顔で話してくださいました。
有名店であるにもかかわらず、気さくで優しいご主人が、ひとつひとつの素材を吟味して丁寧に作った和菓子。「商品の種類は増やさない」というこだわりがあるそうです。少ない種類の和菓子を丹精込めて、丁寧に作る。
「種類や数を多く作るために手を抜くようなことはしたくない」穏やかな笑顔の下に、そんな職人魂を感じました。
看板商品「冷やしうす塩豆大福」「冷やしわらび大福」をいただいてみました
看板商品の「冷やしうす塩豆大福」と「冷やしわらび大福」を両方いただいてみました!
冷やしうす塩豆大福は、ひんやりと冷たいのにお餅が柔らかく、少し塩気のある上品な甘さのあんこと、ふっくらとした豆がアクセントになってとても美味しいです。
ご主人おすすめの冷やしわらび大福は、きな粉の香りを楽しみながら頬張ります。わらび餅とあんこがひとつになって、口の中でトロッと溶ける感覚。これは感動の美味しさです!
口コミで「もっとたくさん買って帰ればよかった」という後悔の声が多く寄せられているのも納得です。
これを食べなければ大山は語れない!?「福地蔵最中」
もうひとつのおすすめは「福地蔵最中」です。最中の名前にもなっている福地蔵のことを、ご主人が教えてくださいました。
お店を出て5分ほど歩いたところに、小さな祠(ほこら)が見えました。「大山福地蔵尊」です。
この辺りは、鎌倉街道と川越街道の交差地点で、江戸時代には多くの人馬が行き交い、とても賑わっていたそうです。
今から150年程前、この辺りで亡くなってしまった人馬を手厚く供養して、多くの人から慕われていた「お福さま」が亡くなった後、お地蔵さまを祀ってお福さまを偲んだという言い伝えがあるそうです。
慈愛に満ちたお顔で微笑む福地蔵は、今でも地元の人々に愛されています。
そんな、優しいお顔の福地蔵を思い出しながら「福地蔵最中」をいただきます。優しい甘さに、思わず心も和みます。
福地蔵のような優しい笑顔になれる、そんな和菓子で、ひと休みしませんか?
お店データ
「辰屋かぎや 大山本店」
所在地:東京都板橋区大山町49-3
電話番号:03-3955-5588
営業時間:10:00~19:00