高齢者向け介護施設の入居者の皆さんはようやく、家族などと再会することができそうです。
今週13日、厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織(アドバイザリーボード)が会合を開き、いま制限している高齢者施設や医療機関での面会については、必要な感染症対策をとる等の条件付きで認めていくことを決めました。
今回の朗報について、詳しく見ていきましょう。
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厚労省の専門家組織、柔軟対応を認める
厚労省の今回の決定は、現在制限している高齢者施設での面会について、今後は地域の感染状況を踏まえた対応へ見直すというものです。
従来の方針を転換した背景には、感染者の動向が地域で異なること、高齢者施設や病院内での大規模な集団感染が減少してきたこと、面会制限の長期化が既存の病気の悪化につながりかねないことなどの現状があるといいます。
これまで特別養護老人ホームやグループホームなどの高齢者施設では、新型コロナのクラスター(感染者集団)が9月末までに185件発生しました。
そのため厚労省は2月以降、高齢者施設や医療機関での面会については、終末期の看取りなど緊急の場合を除いて、全国一律で一時的に制限し、テレビ電話などの利用を求めていたのです。
地域の感染状況を踏まえての対応へ
この日の会合では、面会や外出の制限が長引くことで、施設の入所者の運動機能や認知機能の低下がみられる、という調査結果が報告されました。
一方で、首都圏を中心に6月下旬以降、大規模な施設内感染は減っている、と分析。
今後の方針は、「地域の感染状況を踏まえて面会を認めていく。施設の管理者が面会制限の程度を判断する」というものです。
テレビ電話などで面会する方法も引き続き考慮したうえで、「施設内で面会する場合は、適切な感染防止対策をして実施すべき」という考えを示しています。
感染症対策を条件に面会制限を緩和
必要な感染防止対策としては、次の事例が挙げられました。
⑴面会者に発熱、のどの痛み、嗅覚や味覚の異常がある場合は断る。
⑵面会者はマスクを着用し、面会前後に手指消毒をする。
⑶面会後は面会者が使用した机、椅子、ドアノブなどを消毒する。
厚労省のアドバイザリーボードの専門家からは、「施設管理者の判断が重視されるようにすべきだ」「オンライン以外にも、窓越しや別室で面会する等の方法を挙げてほしい」といった意見も出ていました。
一刻も早く家族との再会を果たして!
一方、「外出」についても、健康維持のための運動や散歩などは不必要に制限すべきではないとしています。
また、施設に入所していない高齢者のことにも言及し、高齢者が集う場の利用などでは感染予防と生きがいとのバランスが保てるようにすべきだという考え方を示しました。
このように政府の方針が変わった今、介護施設の高齢者の皆様には一刻も早く家族との再会を果たし、笑顔を取り戻していただきたいと思います。
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