東京電力エナジーパートナー㈱が30~49歳の300人の男女を対象に「親の老後に関するアンケート調査」を行うとともに、高齢の親の変化が簡単にわかる「10項目のチェックリスト」を作成しました。
子世代の皆さんには大変参考になるため、ご紹介します。
子世代に聞く「親の老後に不安はありますか?」
約8割が「親の老後に不安」、「対策をしている」はわずか6.4%
アンケートではまず「親の老後に対して不安がありますか」と質問したところ、78.3%の人が「不安がある」「どちらかといえば不安がある」と回答しています。
一方で、その不安を払拭するために対策を講じている人は 6.4%にすぎませんでした。
同社はアンケート結果についてこうコメントしています。
「〝自分の親はまだ大丈夫〟と思っていたり、具体的にどこに気をつけて、何をすればいいのか分からない方が多いからではないですか」。
このように親の生活状況が不安なとき、どんなところに目を向けて、親の状況を確認すればいいのでしょうか?
そんな不安を解消するため、同社は有識者の協力の下、普段なかなか気づかない親の変化を簡単に確認できる「10のチェック項目」を作成しました。
このリストを活用し、あなたの大切な親をぜひ守りましょう!
さりげなく自分の親をチェック!〝10のチェック項目〟を活用してみませんか
■10のチェック項目
➊週に1回以上、外出していますか
外出が週1回未満または外出頻度が減っている場合、閉じこもりの可能性あり。
❑閉じこもりの要因
・身体的要因 (膝痛、腰痛、転倒による骨折、脳卒中の後遺症などにより、体を動かしづらくなって活動範囲が狭くなる)
・精神的要因 (転倒の恐怖、親しい人との別れ、自分の行動に自信がないなど)
・社会環境的要因(家の周りに坂道や階段が多い、仲間や友人が近くにいない、近隣と付き合いが少ない、高齢や病気を理由に家族から外出を控えるように言われるなど)
➋最近5年間の出来事を覚えていますか
体験そのものを忘れている場合、認知症の可能性大。
❑認知症のサインの種類
・軽度の認知機能低下のサイン:同じ話を何度も繰り返す/料理の味付けが変わった
→認知症の初期、または老化や亜鉛不足などによる味覚低下の可能性あり。
・中等度の認知機能低下のサイン:同じものを何度も買う/季節や天候に合わない服装をする
→ものわすれ外来の受診を勧める。介護予防事業への参加を勧める
➌今まで好きだった作業や趣味等は、楽しく続けていますか
これまで行ってきたことに2週間以上興味がなくなっている場合、うつの可能性あり。
➍起床または就床の時刻は、以前と変わらないですか
起床または就床の時刻が大きく変わっている場合、生活リズム障害が生じている可能性あり。
➎この1年間、転ばずに過ごせましたか
転倒の既往がある場合はその状況を詳しく聞き、原因を検討し、対策を講じる。
➏体重がこの半年間に3kg以上、増減していませんか
減量に取り組んでいないのに3kg以上のやせがみられる場合、背景にがんなどの重大な病気が生じていたり、低栄養になっている可能性あり。
➐食事中にむせたり、のどからゴロゴロと音が出ていませんか
食事中にむせたり、のどの異変は誤嚥(ごえん)のサイン。
➑食事のとき、お茶や水は飲んでいますか
水分補給やトイレの回数の異変は脱水のサイン。
➒夜、トイレに何回起きますか
トイレに1回以上起き、そのために寝不足など生活に支障を生じている場合、夜間頻尿のサイン。
➓耳の聞こえ方、目の見え方が悪くなっていませんか
通常の声で会話が難しくなっている場合、聴力低下または認知機能低下が原因であることが多い。
耳垢が外耳道に栓をしていないかもチェックする。
薄黄色にかすんで見えたり、暗いところで見えにくかったり、明るいところで光が散乱したりする場合、白内障の可能性大。
※監修した有識者
渡辺修一郎氏 桜美林大学大学院老年学研究科教授(医学博士)
堀内裕子氏 シニアライフデザイン代表