■正木俊介(まさきしゅんすけ)
1984年生まれ。神奈川県出身。
横浜・日吉にある不眠症・自律神経失調症改善に特化した鍼灸院「そらのいろ鍼灸院」院長。丁寧なカウンセリングと治療で、幅広い世代から支持されている。
世界でも長寿大国の日本。快活に人生を楽しむシニアが増えていますが、加齢による健康への不安は拭いきれません。いつまでも健やかでいるには、自身のメンテナンスが必須です。そこで前回に引き続き、シニアの患者さんを多く診ている横浜「そらのいろ鍼灸院」の院長・正木俊介さんに、自宅でもできる「シニアにおすすめの運動」についてお伺いしました。
■前編「専門家に聞いた、東洋医学に学ぶ『シニアに適した健康法』 Vol.1」はこちらから
―シニアの方に推奨している運動は何ですか?
一番良いのはウォーキングです。それ以外でも、ご自身が楽しく無理なく続けられるものがいいですね。頑張りすぎて痛みが出るまでされる方もいますが、そこまでする必要はありません。自宅でなら膝上げや腿(もも)上げ、足首を動かすのもいいですね。血流を良くすることが大切です。
―自宅で簡単にできるものでおススメを教えてください。
アキレス腱を伸ばすストレッチがおススメです。壁やテーブルに手をついたり、ベッドの上なら足首や爪先を持って前屈をしたりすると、自然にすっと伸びますよ。
―アキレス腱以外で意識するといい部位はありますか?
腸腰筋です。腰からお尻にかけてある3つの筋肉(腸骨筋、大腰筋、小腰筋)のことを指していて、骨盤周りの筋肉でもあります。この筋肉が硬くなると骨盤が歪んできて、血流が悪くなり冷えを引き起こします。なので、ストレッチで柔らかくほぐしてあげてください。
―腸腰筋のストレッチとはどういったものですか?
まず膝立ちをします。片足を90度に曲げて前に踏み込み、もう片方の足は膝下を伸ばしてください。この時、足の甲は床につけた状態です。姿勢は骨盤をしっかりと立ち上げるイメージで、重心を下に持っていきましょう。その体勢で床についている足をそのまま後ろに引きます。心地よく伸びを感じる、内腿が伸びている感覚があれば大丈夫です。
腸腰筋を伸ばすと猫背対策にもなります。
―高齢になると膝が痛い方も増えてきます。膝はどうすればいいでしょうか?
膝の痛みは人によって異なりますが、一般的に考えられるのは膝回りの筋力の低下によるものです。太腿・ふくらはぎの筋力が低下し、関節に負担がかかって痛みが出ます。筋力をつけるためになるべく歩いていただくのがいいですね。
―健康に対して不安を抱えるシニアの方は多いと思いますが、最後にメッセージをお願いします。
年を重ねるほど、健康に不安を感じるのは誰にもあることです。不安を感じてしまった時は一人で抱え込まずに、外に行って気分転換をしたり、ご家族やご友人と話したりすると気持ちも明るくなると思います。身近に話す方がいない時は、近くの医療機関や僕のような鍼灸院や街のクリニックに行って、体のことを相談するがてらお話されるのもいいと思います。また、地域のサークル活動やお稽古事に行って、趣味仲間やお茶のみ友だちをつくるのもいいんじゃないでしょうか。人とのコミュニケーションは健康にも大きく関わるものなので、会話を楽しんでいただければと思います。
あと、「健康=活動的」というわけではないので、健康になろうと無理に動く必要はありません。自分の体が心地よいと感じる運動やストレッチをしてみてください。
無理のない運動、そして人との交流が健やかに暮らす秘訣なんですね。健康でお悩みの方は、今回ご紹介した方法でリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
■そらのいろ鍼灸院
神奈川県横浜市港北区日吉本町1-13-22-201
東急東横線・東京メトロ目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン線 日吉駅徒歩5分
診療時間:10:00-18:00
※18:00以降をご希望の方はご相談ください。
定休:月曜・祝日
TEL:045-563-2026
URL:https://www.sora-no-iro.com/