専門家に聞いた、東洋医学に学ぶ「シニアに適した健康法」 Vol.1

■正木俊介(まさきしゅんすけ)
1984年生まれ。神奈川県出身。
横浜・日吉にある不眠症・自律神経失調症改善に特化した鍼灸院「そらのいろ鍼灸院」院長。丁寧なカウンセリングと治療で、幅広い世代から支持されている。

人生100年時代といわれる現在、日本のシニアはどんどん長生きになっています。しかし、少子高齢化による医療機関の人材不足に伴い、自分の健康は自分で維持する必要性が年々高まっているのが現状です。いつまでも健やかでいるためには、日々どういったケアをすればいいのでしょうか。
そこで今回は、シニアの患者さんを多く診ている横浜「そらのいろ鍼灸院」の院長・正木俊介さんに、シニアに多い症例や自宅でのセルフケアについてお伺いしました。

―シニアに多い症状はどんなものですか?

当院に来られるシニアの患者様は70代後半から80代前半の女性で、不眠症や睡眠障害・自律神経失調症で悩まれている方が多いです。不眠症や睡眠障害にみられるケースは人によって異なりますが、寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めてしまったりという症例が多いですね。他には腰が曲がる、膝の痛みが強いというのもありますし、高齢になったことで漠然と抱く健康への不安や将来の悩みから、ふさぎ込んでしまう方も多いです。

―これらの症状で共通する原因はあるのでしょうか?

東洋医学の観点では、「腎」が弱ってしまう「じんきょ」が原因と考えます。「腎」は加齢によって気(エネルギー)が弱ってしまいがちです。「腎」は腰・膝の関節、生殖や成長をつかさどっているので、ここが弱るとシニアの方に多い症状が出てきてしまいます。不眠の原因も「腎虚」によるもの。このように弱っている箇所に東洋医学でははりを施して、気を補うお手伝いをします。

―東洋医学の「腎」とは臓器の腎臓のことですか?

臓器とは違います。東洋医学では「五臓六腑」という概念があり、「腎」は五臓の一つです。五臓は「肝・心・・肺・腎」、六腑は「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・さんしょう」を指します。これらは臓器そのものを指すのではなく、臓器が持つ働きのことを意味しています。

―「腎」の働き(気)を高めるために、自宅でもできるセルフケアはありますか?

一番は食生活です。シニアの方に多い「腎虚」を脱するのにいいとされる食べ物は“黒い物”で、黒豆・黒米・黒木耳きくらげ・海藻類(ワカメ・昆布・牡蠣)。そしてナッツ類(特にくるみ、松の実、クコの実)もいいです。これらを食生活に取り入れてもらうことをおすすめしています。

―どこでも買えるものなので、すぐに取り入れられますね。食生活以外で気をつけることはありますか?

ひとり暮らしをしている方で多いのが生活習慣の乱れです。夜寝るのが遅いのと、朝起きるのが遅いのでは後者のほうが良くありません。起きる時間はできれば決めていただいたほうがいいです。朝起きて、太陽の光を浴びると体内でビタミンDが生成されます。すると、眠りを誘う作用がある“睡眠ホルモン”といわれるメラトニンが夕方以降にたくさん分泌するので、眠りやすくなります。天気のいい日は、太陽を全身で浴びながら軽く運動をするのもいいですね。

―シニアでもひとり暮らしで生活習慣が乱れるのは意外でした。寝つきを良くするために、何かおすすめの方法は他にもありますか?

寝つきが悪い原因に冷えも挙げられます。高齢になると冷えやすくなってしまうので、湯船に浸る、それが難しければ足湯でも違ってきます。「寒いから」という理由で靴下を履いて寝る方もいらっしゃいますが、これは逆効果です。足の裏にかく汗が水蒸気になって放出するのを妨げるため、逆に冷えてしまいます。膝からくるぶしまでのレッグウォーマーなら足裏を冷やさないので、冷え性の方はこちらがおすすめです。また、軽くでいいのでストレッチをして、筋肉を伸ばして身体を温めるのもいいですよ。

シニアに多い症状への対策は、日頃の意識を少し変えるだけでできるものばかり。悩んでいる方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか。次回は、自宅で簡単にできる「シニアにおすすめの運動」をご紹介します。

■後編「専門家に聞いた、東洋医学に学ぶ『シニアに適した健康法』Vol.2」はこちらから

■そらのいろ鍼灸院
神奈川県横浜市港北区日吉本町1-13-22-201
東急東横線・東京メトロ目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン線 日吉駅徒歩5分
診療時間:10:00-18:00
※18:00以降をご希望の方は、ご相談ください。
定休:月曜・祝日
TEL:045-563-2026
URL:https://www.sora-no-iro.com/

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