ケアラーズカフェ in 都会の実家
自宅で夫や妻、親などの介護をしている人たち(ケアラーズ)が集まるカフェ。
いま全国に広がっているのはご存じでしたか。
そうした介護者のためのカフェを立ち上げた草分け的存在が、NPO法人アラジン(牧野 史子理事長)です。
2012年にオープンした「ケアラーズカフェin都会の実家」(杉並区)を訪ね、お話を聞いてきました。
ホッと一息つける場所
南阿佐ヶ谷駅から5分ほど歩いた住宅地。普通の戸建住宅の居間を改装したカフェがあります。
玄関から靴を脱いで上がると、そこは実家に帰ってきたようなホッとする空間。
専従職員の森川 恵子さんが優しい笑顔で迎えてくれました。
『介護をしている人たちが気軽に立ち寄り、ホッと一息つける場所を作りたい。
介護のつらさを抱えた人たちを支えたいという想いで開設しました。
在宅介護をしているとグチをこぼす場もないので、“あー疲れた”という気持ちをここで吐き出していただきたいですね』
そう話す森川さんご自身も、認知症だった母親を10年にわたって介護し看取ったと言います。
介護者の笑顔が見たい!
『母とぶつかったとき、小さな娘を連れて家出してしまい、ビジネスホテルで一晩過ごしたこともありました。そんな介護に疲れたときは、ここのカフェで同じ立場の人と出会えば“あっ、私だけじゃないんだ”と気持ちが楽になるんです』
来店した人たちは、ワンコインの人気ランチや当店自慢の手作りケーキとコーヒーを味わいながら、会話を楽しんでいます。
森川さんがじっくりと話を聞くこともあるそうです。
『介護で悩んでいるかどうか、顔を見ただけでわかります。帰るときに笑顔を見せていただけると、本当にうれしいですね』
そんな森川さんを囲むように、いま介護者によるネットワーク作りが広がりを見せています。
ケアラーズカフェ in 都会の実家
東京都杉並区成田東4-35- 19 TEL:03-5368- 1955(本部)
営業時間:月・木曜の週2日、11:30~16:00
他に歌声サロン(金曜)と娘サロン・若者ひろば(土曜)を開催
http://cafearajin.com/