心身ともに若々しい日本のシニア世代。しかし、歳を重ねると心配になってくるのが認知症ではないでしょうか。いつまでも元気で物覚えも特に問題ないと思っていても、少しずつ忘れやすくなっていることは誰にでもあります。最近では認知症予防策もさまざまあり、読者の中にも実践している方はいるのでは?主に当人が行うプログラムが多いですが、今回ご紹介するのはシニア世代をサポートする側、施設のスタッフ向けのプログラムです。
NSGグループの社会福祉法人上越あたご福祉会では、2019年10月31日、11月1日の2日間にわたりバーチャルリアリティ(VR)活用した認知症体験講座を開催。ここ数年人気のVRを活用した画期的な認知症予防プログラムを実施しました。一体どのようなものなのでしょうか。今回は上越あたご福祉会の認知症体験講座をご紹介します。
(→「VR(ブイアール)」とは?|おとなの住む旅 用語解説)
認知症患者はどれくらいいるの?
日本の認知症患者数は年々増加すると予想されています。2012年時点で約462万人、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みです。認知症が原因で、生活上での混乱や周囲とのトラブル等から社会問題も発生しているのが現状です。車の運転による事故、徘徊等により自宅に戻れない、孤立死(孤独死)の増加、高齢者虐待などです。認知症は誰もが発症する可能性があるもの。だからこそ、社会全体で症状を正しく理解し認知症と向き合っていくことが大切です。
シニア世代をサポートする側が認知症を疑似体験!
社会福祉法人上越あたご福祉会は特別養護老人ホームやグループホームや小規模多機能型居宅介護等の高齢者福祉施設を運営しています。各施設の入居者や利用者には、認知症の症状がある方も多いため、認知症の症状を正しく理解したケアが必要です。今回の研修では、法人スタッフを対象とし、VRを活用した研修を実施しました。単なる「もの忘れ」と捉われがちの認知症ですが、発症すると自分がいる場所・時間等が正しく認識できない『見当識障害』、実在しない知覚情報を、実在するかのように感じてしまう『幻覚・幻聴』等のさまざまな症状を伴います。
研修の中では、VR機器を用いて『今、自分がどこにいるのかわからない』、『レビー小体認知症により幻覚がみえる』等の認知症擬似体験を参加職員が体験。体験したことで認知症の方の気持ちがわかり、「相手に安心していただける声のかけ方をしていきたい」、「相手の方のお気持ちを理解するためにお話をよく聞くようにしたい」等の声があがっていました。
バーチャルリアリティはアミューズメントの垣根を越えて、あらゆる分野で活用されています。今後もシニア世代をサポートするサービスがさまざまな形で展開されそうですね。
■協力企業
株式会社シルバーウッド
本社:〒279-0025 千葉県浦安市鉄鋼通り1-2-11
TEL:047-304-4003
ホームページ: http://www.silverwood.co.jp/guidance/index.html
【社会福祉法人上越あたご福祉会】
理事長:稲葉 晋
所在地:新潟県上越市三和区井ノ口1718番地4
URL: http://www.joetsu-atago.or.jp/
参考:PR TIMES